2015年8月アーカイブ

みなさん こんにちは。

お盆が過ぎ暑さもやや和らぎはじめましたが、まだまだ残暑は続くようですので引き続き健康管理には注意を払っていきたいところです。

さてイタリアのミラノでは「食」をテーマにした万博が開催されていますが、中でも日本館は大人気と報道されています。食べ物が我々の血や肉体をはぐくむわけですので、何を食べるかは健康にとって重要であるということは論をまたないでしょう。

その欧米にあっては豊富な魚介類にオリーブオイルなどの地中海性の食事が、そして東洋にあっては和食が健康にいいと言われておりこれが人気の背景にあるひとつの理由だと思います。

しかし一口に和食と言っても頭に浮かぶのはひとそれぞれ異なるのではないでしょうか? 刺身、てんぷら、寿司、米飯、味噌やしょうゆなどの大豆発酵食、野菜の漬物などなど・・・。

そんな中最近大変興味深い本を読みました。以下 『新版 日本の長寿村・短命村』という東北大学名誉教授で医学博士の故近藤正二先生の書かれた本です。

cyojyu_tannmei.jpg近藤先生は昭和十年頃からその後35年以上の長い間日本全国の990カ町村を訪問し長寿者の多い村と少ない村の衛生学的比較調査研究を行われたというすごい情熱と行動力の兼ね備えた方だったようです。

まずこの本の付録にある全国長寿村・短命村地図を見ると分かることは、一律に和食を食しているからと言っても明らかに寿命には大きな町村の差があるということ。しかも長寿村が沢山ある地域に隣接して短命村があったり、その逆に短命な村が多い地域にぽつんと長寿村があったり両者がほぼ交じり合ったりそのパターンは様々なのです。

ここで長寿村短命村というのは70歳以上の高齢者が人口に占める割合の大小で定義されています。ここから調査時点の今から80年~50年前では欧米化が進んでいない伝統の和食を食べても平均寿命は現在よりかなり短かったことも分かります。(脳卒中・心筋梗塞などが多く、ガンはまだ少なかった)

さて短命村では食生活が偏っていることが明らかにされています。例えば米どころで白米を大食している地域、漁村で魚とお米は沢山食べるが畑がなく野菜をほとんど食べない地域。

その一方の長寿村では共通して緑黄野菜(がぼちゃ・にんじん・イモ類)・大豆・海藻類・小魚を食べお米や肉類をあまり食べないということが浮かび上がってきました。(加えて積極的に仕事で体を動かすことも重要な要素として挙げられています)

さらに健康にいいと言われる果物(りんごやみかんなど)、お茶などの特産地もそれだけでは特に長寿村にはなっていないと言えそうです。

尚、この本の付帯報告と解説を平成3年に担当された萩原弘道氏によると「先生のお話の内容は、昭和46年現在のお話ですが、長寿村・短命村は何が原因かという真理は当時も現在も変わりないことを申しそえておきます。」と巻頭言で述べられています。

いかがでしょうか? 

日本食・和食の何が健康のかぎになる考え方なのかその大切なエッセンスがこの本に凝縮されているように思います。 ここ数年来欧米の研究者の食と健康にまつわる研究本を沢山読んできたものとしては動物性食品の摂取を控え植物性食品の摂取を推奨する今主流の考え方(たとえば『葬られた「第二のマグガバン報告」(上・中・下)』と矛盾しないのは当然ですが、島国日本ならではの海藻類と大豆(およびその発酵食)が特に健康に重要であることが改めて日本人研究者のライフワークと言える努力により確認できたように思いわが意を得たりと思うとともに感謝の念が浮かんでまいりました。

ご興味のある方は是非ご一読をお勧めいたします♪

ここで『葬られた「第二のマクガバン報告」(上・中・下)』では推奨されていた精製されていない全粒穀物(小麦!)に関してはより最新の医学研究の結果、認知症や糖尿病にとって必ずしもいいものではないことが次第に明らかにされてきています。この衝撃的な内容に関してはまた別途記事にしたいと思っております。             (by  編集委員 Y.O)

 

 

横浜薬科大学

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