さいたまキャンパスも紅葉が見られるようになった
今日この頃じゃが 皆さんいかがお過ごしですかのぉ
10回目の薬用植物講座 は最近開花したばかりの センブリの紹介じゃ
センブリ Ophelia japonica Griseb.(=Swertia japonica Makino:リンドウ科) は
ドクダミ や ゲンノショウコとともに 日本を代表する薬草じゃよ
センブリという名前は「千回振出してもまだ苦い」
ということから つけられたとされているんじゃ。
非常に苦味が強く 最も苦い生薬ともいわれているんじゃよ
「良薬は口に苦し」ということわざが有名じゃが
苦味というのは 動物に食べられまいとする
植物の防御反応といえるのではないですかのぉ
日本では 苦味健胃薬として知られていて
橙皮 センブリ 山椒を成分とする胃腸薬(苦味チンキ)が作られ
古くは 日本陸軍の軍用薬として 一世を風靡したようじゃよ
センブリには 不思議な歴史があるんじゃよ
1960年頃 円形脱毛症に効くということがわかり
「取り尽くしの害」にあって
人目に付くところからはすっかり姿を消してしまったんじゃ
ところが これがきっかけとなって
それまで不可能と言われていたセンブリの栽培研究が進み
野生品も少しずつ増えてきたんじゃ
一度絶滅危惧となった野生生物は 復活が難しいんじゃが
晴れてセンブリは絶滅の危惧から逃れることができたんじゃのぉ
今から7年前に 上尾の植物同好会のご協力もあって
さいたまキャンパス内に10メートル四方ほどの
センブリの群生が見つかったんじゃ
おかげで今年もセンブリの白い花を見ながら
秋から冬への季節の移ろいを感じているにんじぃじゃよ