今回は、電子部品業界のなかからオムロンを取り上げる。

【オムロン】
オムロンの事業は3つのドメイン(ファクトリー・オートメーション、ヘルスケア、ソーシャルソリューション)があり、それらを支える電子部品事業(リレー、スイッチなど)で構成されている。我々の身近なところでは、体温計や血圧計、駅の自動改札機といったところだろうか。

オムロンについても語りたいところは多くあるが、まずは我が国を代表するサステナビリティ最先端企業という点だろう。SDGsの観点でいえば、同社は日本経済新聞社が行っている「日経SDGs調査」で毎年上位にランキングされている。ちなみに同社は2020年3月期の二酸化炭素(CO2)排出量を前年度より22%減少させたという(日経電子版 2020年11月17日)。

同社のサステナビリティの詳細(事業を通じた社会的課題の解決、ステークホルダーの期待に応える課題の解決)については、「統合レポート」やHPで見ていただきたい。なお、同社がSDGsの先端企業というのは日本国内だけでなく、世界的な評価である。同社は2020年11月にEcoVadis社(本社:フランス)のサステナビリティ調査(世界160ヵ国、200業種、65,000以上の団体・企業を評価する)で上位1%に入る最高ランクの「プラチナ」評価を獲得している。

さらに付け加えるならば、これも2020年11月になるが、同社はサステナビリティ投資の株価指標として世界的な指標である(DJSI World、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス)の構成銘柄に4年連続で選出された。2020年は、主要グローバル企業3,500社を対象に調査を実施し、323社(うち日本企業39社)が選定されたという。このように、オムロンは世界のトップを進むSDGs企業なのだ。

ここで読者の皆さんはお気づきになると思うが、サステナビリティ先端企業は同時にESG(環境・社会・ガバナンス)を強く意識した経営を行っている企業でもある。同社の場合は注力する企業理念経営がベースにある。すなわち、「オムロンは、企業理念の実践のもと、社会の変化をいち早く捉え、事業を通じて社会的課題を解決してゆくことで、よりよい社会、人が輝く豊かな社会に貢献していきます」(同社HP)という企業理念がESG経営そのものに該当する。2021年3月期1Q決算資料には、同社の存在意義として「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」と力強く言い切っている。オムロンは自他ともに認める「社会の公器」なのである。

オムロンは企業経営の視点からも注目される。上場企業の経営では東京証券取引所によるコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)が適用され、企業は「資本コストを意識した経営」を求められる。ここでいう資本コストとは、企業が資金調達をする際に必要なコストのことである。ファイナンスの講義になってしまうので詳しい説明は割愛するが、資本コストを意識した経営を現場に具体的に落とし込むことはかなりの困難を伴う作業である。オムロンはROIC(投下資本利益率のことで企業が事業活動のために投じた資金を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標)経営を確立している。言い換えれば、資本コストを意識した経営が十分になされている企業と言ってよい。

「統合レポート2020」ではCFOメッセージが掲載されている。そのなかで日戸興史取締役執行役員専務CFO兼グローバル戦略本部長は、ROIC経営の二つある柱の一つポートフォリオマネジメント(もう一つはROIC逆ツリー展開)について「現在約60ある事業ユニットに対して、ROIC10%というハードルレートを課している。10%という基準は、それがオムロンの想定資本コスト6%をカバーする水準だからであり、それを下回ることは企業価値を毀損するに等しい、と全事業に伝えています」と述べている。

一方、もう一つ柱であるROIC逆ツリー展開については、「統合レポート2020」のなかで「ROICを各部門のKPI(成果指標)に分解して落とし込むことでROIC向上を可能にしている。(中略)現場レベルで全社一丸となりROICを向上させているのがオムロンの強みです」と書かれている。このように資本コストを意識した経営を実現しているオムロンに対する国内外機関投資家の評価は高い。

同社が選定されている主なESGインデックスは、上述したDJSI WorldをはじめFTSE4Good Index Series、MSCI ESG Leaders Index、MSCI SRI Index、MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数など多岐にわたる。またみなさんの身近なところでは、経済産業省・東京証券取引所選定の「なでしこ銘柄」や「健康経営銘柄」などにも選定されている。

さて、ここまで触れなかったが創業者立石一真氏についても見ておこう。同氏はオムロンの前身である立石電機(昭和7年設立)を世界のオムロンに育てた名経営者だ。とくに「大企業病」という言葉を造って、自社の「大企業病」を率先して治したのも一真氏である。創業者に関心のあるみなさんは、同社HPに創業者物語があるのでぜひ一読してほしい。また、さらに深く知りたい向きは、湯谷昇羊著「できません」と云うな-オムロン創業者立石一真(2011、新潮文庫)をお薦めする。

この本は立石一真の生き方が詳細に書かれたとてもいい本だ。第12章の「大企業退治」も参考になるが、第13章の「人を幸せにする人が幸せになる」がとくにおもしろい。そのなかに、以前に取り上げた日本電産の永守重信会長との交流が書かれている。永守さんは日本電産創業時の苦しい時期に何度も立石一真氏に会って、元気づけられていたという。立石氏は多くの経営者に影響を与えていたのだ。

オムロンの採用HPを見ると求める人材像は、「世界の社会課題の解決に、誰にも負けない強みを持ってチャレンジできる人財」である。具体的には、(1)困難な状況に置かれても、前向きに乗り越えられる人、(2)誰にも負けない領域を持っている人、(3)グローバルに活躍しようという志を持っている人、の3点だ。

どうだろう。ここまで説明してきてみなさんは、世界から評価されるサステナビリティ最先端企業オムロンで働きたくなったのではないだろうか。ただし入社のハードルは高い。学生時代から専門分野の勉強はもちろん、英語力の向上、社会貢献活動など毎日切磋琢磨して自分を高めておくことが必要だろう。

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今回は、電子部品業界のなかから日東電工を取り上げる。

【日東電工】
私はアナリストとして日東電工を直接カバーしたことはない。しかし独立系リサーチ企業のエクイティリサーチ部長をしていたころは、発行するすべての企業調査レポートのコンテンツやクオリティ、コンプライアンス等のチェックを行っていた。カバレッジ数は200社程度あったと記憶している。その当時から日東電工を担当するアナリストの執筆したレポートにとりわけ注目していた。同社の製品や成長戦略が私に強いインパクトを与えたからである。それ以来10年以上にわたって日東電工の業績や株価動向について一貫して高い関心を持ってウオッチしている。

読者のみなさんは日東電工をご存知だろうか?基本的にはBtoB企業であり、社名は聞いたことがあるけれども、あまり詳細に知っている方は少ないだろう。一部のBtoC子会社(ニトムズ)で家庭用フロアクリーナー「コロコロ®」を取り扱っているので、「あぁ、あの会社か」と頷かれる方もおられるだろうか。

実は日東電工は日本を代表するすごい会社である。同社は粘着技術、塗工技術、高分子合成等の技術で液晶テレビやスマホ用の偏光板および保護フィルム、自動車関連分野(塗膜用保護フィルムや各種粘着テープなど)、住宅・建材分野(防水・断熱・防音・気密などを実現する粘着テープなど)、環境関連(海水淡水化や排水処理用の逆浸透膜など)、さらに医療用(核酸医薬品の原薬合成、粘着技術を応用した経皮吸収医薬品など)といった、きわめて多岐にわたるハイエンドの製品群を誇っている。同社は、およそ70業種に13,500種の製品を供給しているとされる。

こうした製品は競争相手のいない世界的なニッチ(隙間)市場で展開されており、同社の多くの製品が世界シェアトップである。これが同社の掲げるグローバルニッチトップ™戦略だ。ちなみにグローバルニッチトップ™は商標登録されている。同社の説明では「成長(変化)するマーケットにおいてグループ固有の技術を活かすことができ、かつ優位性を発揮できるニッチな分野へ経営資源を投下する独自の集中・差別化戦略がニッチトップ™戦略」としている。

加えて、各国・エリアの市場において、特有のニーズに応じた製品を投入してトップシェアを狙うのがエリアニッチトップ®戦略である。どちらにしても、まるでハーバード大学ビジネススクールのマイケルポータ―教授が書かれた企業戦略論のテキスト"Competitive Strategy"や"Competitive Advantage"に同社の事例が出てくるような感じがするだろう。いや実際にポーター先生がテキストを書かれた約30年前に同社が現在の企業規模であったら必ずテキストにケースとして紹介されていたのではないか。日東電工は現実にグローバルニッチトップ™戦略やエリアニッチトップ®戦略をもって世界で競争優位のポジションを築いているのだ。

ざっと日東電工の概要に触れておく。2020年3月期(IFRS)の売上収益のセグメント別内訳は、インダストリアルテープ(スマホ・電子部品向け、工業用両面接着テープなど)41.2%、オプトロニクス)ディスプレイ、タッチパネル用各種工学フィルムなど)51.7%。ライフサイエンス3.5%である。またエリア別売上収益は、日本22.5%、米州9.0%、欧州5.5%、アジア・オセアニア63.1%である。1961年に初めて海外に進出し、従業員3万人のうち約70%が海外で働いている。日東電工もまた最先端のグローバル企業である。

業績について。同社は2021年3月期第1四半期決算で通期業績予想を売上収益6,750億円(前期比8.9%減)、営業利益640億円(8.2%減)としていたが、10月末の中間決算発表に合わせ通期予想を売上高7,150億円(3.5%減)、営業利益750億円(7.6%増)にそれぞれ上方修正を行った。予想以上に回復が早い印象を受ける。パソコン、タブレット用偏光フィルムなどが伸びたようだ。ディスプレイ市場の好調が背景にある。コロナ禍が収束に向かえば、同社業績もそれにつれて一段の拡大が期待できよう。

Nittoグループ統合報告書(Integrated Report)2020は、同社を知るうえでとても参考になる。そのなかに社外取締役座談会が掲載されている。そのなかで八丁地隆社外取締役(元日立製作所代表執行役 執行役副社長)は、「Nittoは分野ごとにSDGsやESGのフィールドでトップになろうという人が必ずでてくる企業です。長期的に行うなかで重要なのは、そこを担う多様な人材をいかに育てるかだと思います。もう一つは、グローバルにベストな人財を適材適所に配置すること。社外取締役の役割としてもこういった課題に光をあててインスパイアさせるような存在でありたい」と述べている。

日東電工はニッチな製品分野に焦点が当たることが多い。その点は本当に素晴らしい。しかし目立たないとは言え、統合報告書の社外取締役座談会を読んだだけで、同社のガバナンスは超一流と感じる。

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今回は、電子部品業界のなかから村田製作所を取り上げる。

【村田製作所】
私は村田製作所を語る際、ある種の懐かしさがこみ上げる。30年以上前、証券アナリストの仕事を始めたときは電子部品業界担当であり、同社をカバーしていたからである。本社はJR長岡京駅(京都府)のそばにある。一年に2回(中間決算と本決算後)、出張取材で同社を訪問し、決算はもとより電子部品業界の将来を教えていただいた。また、取材後の余った時間に地元で「天神さん」と親しまれる長岡天満宮にお参りしたのも今となってはいい思い出である。

さて、村田製作所に話を戻そう。同社はコンデンサで世界トップ企業である。コンデンサは電気を蓄えたり、放出したりする電子部品で、パソコンやスマホ、家電、自動車など幅広い分野で使用されている。同社は世界トップのシェアを誇る製品が多い。特に注目すべきは、世界シェア40%を超える積層セラミックコンデンサ(MLCC)であろう。MLCCは同社の世界に誇る技術力の高さを具現化した超微細化製品であり、ハイエンドのスマホでは800~1000個以上が使用されている。すなわち、スマホは村田製作所のMLCCがあってこその商品なのだ。

加えて、スマホや無線LANなどに組み込まれるSAW(表面弾性波)フィルタ、セラミック発振子、ショックセンサなどでも世界シェアトップと推定される。これら以外でも、コンデンサ(キャパシタ)、インダクタ(コイル)、ノイズ対策部品、サーミスタ(温度センサ)、MEMS(微小電気機械システム)など多くの最先端電子部品の生産を行っている。これからIOT、5Gの時代が本格的に到来する。MLCCをはじめとする同社製品の各種デバイスへの搭載点数は一段と拡大するものと予想する。

村田製作所は、上述したように世界シェアが高く、他の追随を許さない技術力・国際競争力の高い製品が多いことから利益率の高さでも知られている。2020年3月期の売上高営業利益率は16.5%、数年前の2016年3月期は22.7%であった。製造業では驚異的な営業利益率といえよう。ちなみに製造業全体ではどのくらいだろうか。経済産業省による「2019年企業活動基本調査(確報)」によれば、2018年度の製造業全体の営業利益率は4.8%であった。これと比較しても同社の利益率がどれほどすごいものなのかを窺い知ることができよう。

業績について。同社は2020年10月30日に2021年3月期決算(IFRS)予想数値について売上高1兆4,300億円→1兆4,900億円(前期比2.9%減)、営業利益2,100億円→2,500億円(1.3%減)に上方修正をおこなった。新型コロナの影響で第1四半期は前年同期を売上・利益ともに下回ったものの、第2四半期以降は急速に回復していることが見て取れよう。主力のMLCCがスマホ向け、自動車向けに増加している。株価はこの点を好感し、10月下旬に20年半ぶりの高値を付けた。当然のことながら、投資家は足元の業績回復に加え、中長期での成長も視野に入れている。

最後に採用についてみてみたい。ここまで触れなかったが、同社は海外売上高比率が90%を超える日本でも有数のグローバル企業だ。よって求める人材もグローバル人材が中心である。同社の新卒HPでは「グローバル市場で活躍する人材には三つのことを求めたい」という採用グループによる一文が掲載されている。とてもすばらしい内容なので、以下に紹介したい。

一つは、自ら考え・行動できること。グローバルな環境で成果を残していくには、自分で自分をプロデュースし、コントロール、マネジメントしていくことが欠かせないという。二つは、あらゆる環境に飛び込んでいく勇気が必要としている。多様な人材が活躍する環境で、自分からコミュニケーションを図れるかどうかが重要と強調する。そして最後に求めるのが、同社に共感して仲間と同じ思いを持つことだとする。

ここでは、三つの求めることのさわりだけ紹介したが、みなさんにはぜひ全文を読んで欲しい。これだけでも同社の「グローバル企業としての強さ」が理解できるのではなかろうか。

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今回は電子部品業界の個別企業を掘り下げていこう。

【日本電産】
最初に取り上げるのは世界一のモータ事業を誇る日本電産である。同社はグループ企業とともに『精密小型から超大型までの幅広いラインナップを誇るモータ事業を中心に、「回るもの」「動くもの」に特化したモータの応用製品・ソリューションも手掛けています』(同社HP企業概要)というモータ専業メーカーである。

モータは生活のあらゆるところに使用されており、逆にモータがつかわれてない製品を探すのが難しいくらいだ。例えば、我々の身近なところでは、パソコンのHDD、スマホ(スマホが振動するのはモータが動くから)、ロボット掃除機、冷蔵庫、エアコン、デジカメなど。また自動車にも電動パワステ用モータなどが搭載されており、EV化の流れで車載用モータの採用点数が急速に増えている。

同社は世界一のシェアを誇るモータが多いが、とくに注目したいのは、1979年に実用化した「ブラシレスDCモータ」である。詳細な説明は割愛するが、ブラシによる機械的な接触を取り除いたことで、ブラシの摩耗がなくなり、メンテナンスフリーになったことが画期的な技術だった。加えて、「ブラシレスDCモータ」は小型化や効率性が高まったことで、ハードディスクの直接駆動方式が実現したのである。コンピュータの小型化は日本電産の「ブラシレスDCモータ」の貢献によるとことが大きい。

さて日本電産といえば、創業者永守重信氏(代表取締役会長)に触れない訳にはいくまい。同氏のサクセスストーリーは同社HPトップメッセージのところに「太陽よりも熱い男」と題したマンガがある。マンガなので読むにはそれほど負担はかからないだろう。ぜひ一読して欲しい。私はマスコミ等からの取材で、「注目する企業経営者を何人か出して欲しい」と聞かれた時には、永守重信氏を挙げることにしている。永守会長の経営手腕については言うまでもないが、永守氏の考え方が私の「腑に落ちる」からである。

みなさんは、まず1998年に書かれた『「人を動かす」人になれ!』(三笠書房)を読んでいただきたい。とくに日本電産志望でなくてもよい。マネージャー、課長、部長、取締役など入社した会社で上を目指す方には必読だろう。永守会長はM&Aなども積極的に行って成長を加速させてきた。この本には永守会長の経営哲学のエッセンスが詰まっている。

とくに永守氏はこの本を書かれた1998年当時で能力給「大きな成功体験には大きな報酬を」の重要性を述べられている。この頃の日本経済はまだ年功序列の世界がはびこり、会社の収益に大きく貢献した社員にボーナス等で報いていたのは証券会社ぐらいではなかったか。ちなみに、2018年に開催された平昌冬季オリンピックの女子スピードスケートで2つの金メダル(女子団体パシュート、マススタート)を獲得した高木菜那選手は子会社の日本電産サンキョーの所属だ。永守会長は早速、報奨金4千万円を渡し、3階級特進で係長に昇進させた。これなども、永守氏にすれば高木選手の努力と結果に報いた好例といえよう。

次にみなさんに読んでいただきたい永守会長の本は、2005年に書かれた『情熱・熱意・執念の経営』(PHP研究所)である。これまた永守氏の経営論が濃縮された本で、学生はもちろん、社会人や公務員にも読んで欲しい一冊だ。その本のなかに、「混血は美男美女をつくる」と題した一文がある。それによれば、同社は転職者の知識、ノウハウ、経験とプロパー社員の若々しいエネルギーが一つになったときに同社のパワーをフルに発揮できると結ばれている。今でこそダイバーシティという言葉も一般化してきた感はあるが、永守氏は2005年から経営感覚としてダイバーシティに効果があることを理解しておられたのだ。

その永守会長がいよいよ大学経営・大学改革に乗り出した。京都先端科学大学である。今の大学では社会に必要な人材を育成していないという危機感が背景にあり、それならば自分でやろうということだ。永守氏は、「問題の根源は、知識偏重、偏差値偏重」にあるとして、「日本が今、閉塞感に陥っているのは、自分から動く人間、リーダーがいないから。立派な大学を卒業したという理由だけで重宝するのはやめるべきだ」と強調する。こうした議論には私も納得できる点が多々あり、我が意を得たりという気分にもなる。永守氏の教育論や京都先端科学大学について知りたい方は、「永守重信の人材革命」日経BP(2020)を読むといいだろう。

業績について。2021年3月期(IFRS)は会社計画の売上高1兆5,000億円(前期比6.8%減)、営業利益1,250億円(13.3%増)は達成できよう。コロナ禍が早期に収束に向かえば、業績予想の上振れも期待できる。売上高が減っても利益が出やすい体質になってきた。将来的に同社がさらに飛躍すると思われる要因はいくつかある。同社はそれを5つの大波がくるとしている。5つの波とは、(1)省人化の波、(2)5G&サーマルソリューションの波、(3)脱炭素化の波、(4)デジタルデータ爆発の波、(5)省電力化とコロナ後の波、である。今後のM&Aとも相まって、同社は成長軌道が続くとみる。

日本電産およびグループ企業に就職すれば、永守会長から直接お話を伺うチャンスはあるだろう。もし、エレベータや廊下ですれちがったりしたときはチャンスを逃さず勇気を出して話しかけてみるとよい。忙しいなかでも、必ず対応してくださるはずだ。

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今回は電子部品業界を取り上げる。電子部品はいわゆるBtoBビジネスなので、食品企業などと違い、この業界に詳しい文系の学生諸君は多くないと思われる。しかしながら、電子部品業界は我が国の技術力を結集した一大産業であり、世界的に知名度がある優良企業も多い。

私は電子部品業界について、これまでも順調に拡大してきたが、後述するように中長期的には市場規模が一段と拡大するきわめて有望な業界と考えている。なお、本ブログでいう電子部品は半導体を除いたものとする。

まず我が国の電子部品業界の概観についてみよう。2019年の市場規模は約9兆円であり、日系メーカーの世界生産額に占めるシェアは37%(電子情報技術産業協会による2019年見込み)と存在感を示している。

電子部品は主にスマートフォン(以下、スマホ)や電子機器、産業機器、自動車など幅広い分野に使用される。我が国の電子部品メーカー各社の取引相手も世界のグローバル企業である。このため、今回の新型コロナウイルスによる世界的な景気低迷、あるいは米中貿易摩擦の拡大による中国の大手スマホメーカーHUAWEIやZTEの排除などのマイナスの影響は避けられない。しかし中長期的な視点に立てば、電子部品の需要は今後順調に伸びていくのはほぼ間違いないものと考える。以下ではその理由を挙げてみる。

一つは、次世代通信規格「5G」関連の投資拡大だ。電子部品は「5G」スマホ本体の製造に使われるほか、通信基地局やデータセンター向けにも需要が拡大している。そして「5G」により実現されるのが、IOT(Internet of Things)である。従来インターネットはPCやスマホ、プリンターなどIT機器に接続されていたが、これからは一部で実用化が進んでいるようにスマートハウス(テレビ、冷蔵庫、エアコンなど家電製品がすべてインターネットにつながる)が日常の世界になってくる。我々の生活は大半が「5G」スマホでコントロールできるようになるのだ。これは決して夢物語ではなく、また遠い未来の話でもない。

二つは、自動車向け用途の拡大である。2020年7月に米国の電気自動車メーカー「テスラ」の時価総額がトヨタ自動車の時価総額を超えたことが話題になった。電気自動車はハイテク電子部品の集合体といえるもので、この先電気自動車の普及とともに電子部品の供給は急速に増えるだろう。また従来型の自動車でもカメラやセンサーなど先進運転支援システム(ADAS)の導入が進んでいる。最近の自動車会社の新車CMを見ていると、自動運転システムや危険回避システムを売りにしたものが多いことにお気づきだろうか。センサーやカメラモジュールなどの搭載が増えているのだ。

三つは医療機器向けの拡大である。医療機器は医療技術そのものの進歩や高齢化などで、高度化が著しい。医療機器市場は世界的な拡大が見込まれているが、医療機器に組み込まれる電子部品は高精細を誇る日本メーカーの特徴が活きる分野といえよう。ちなみに、IOTは医療の分野でIoMT(Internet of Medical Things)とも呼ばれる。

これまで見てきた以外にも、産業機器(ロボット、工作機械等)向け、スマート社会・スマートシティの実現に向けて我が国の電子部品メーカーが活躍するフィールドは多そうだ。学生の皆さんにはロングタームで成長が期待される電子部品業界にぜひ注目して欲しい。電子部品メーカーといえば、各種部品で世界トップシェアを持っている企業、その結果として営業利益率が10%を超えるような高収益企業が多いことでも知られる。なお、個別電子部品メーカーについては、次回の個別企業編で触れることにしたい。

ところで、みなさんは電子部品には、どのようなものがあるかご存じだろうか?自分でパソコンを組み立て当たりする方や国際展示会CEATEC(Combined Exhibition of Advanced Technologies)に出かけているパーツファンの方以外は、高校の物理や化学の時間に勉強した記憶が残っている程度ではなかろうか。電子部品の種類は数多いが、次では主要部品4つを紹介する。

【コンデンサ】コンデンサは電気を蓄えることができ、電子回路の必要に応じて電気を供給する役割を担っている。家電製品やエアコン、パソコン、スマホなどを正常に稼働させるため、そうした機器の回路に必ず使われる。近年はスマホ向けに積層セラミックコンデンサ(MLCC)、エアコンや自動車向けにアルミ電解コンデンサが伸びている。コンデンサのなかでは、MLCCの市場規模が最も大きく、村田製作所や太陽誘電が主要メーカーである。アルミ電解コンデンサでは、日本ケミコンやニチコンが大手である。

【インダクタ】インダクタはコイルの別名である。みなさんも一度は見たことがあるはずだ。細い金属(導線)をぐるぐる巻きにしたあの部品である。インダクタは電流を安定させ、電圧を変化させる役割がある。インダクタもスマホやパソコン、自動車など幅広い分野で使われる。TDKや村田製作所、太陽誘電が強い。

【コネクタ】コネクタは電子機器や基盤、回路などを電気的に接続させる部品である。我々の身近なところではUSBなどもコネクタだ。コネクタも家電製品や電子機器、パソコン、スマホ、自動車、FA・計測器など幅広く使用される。コネクタを手掛ける企業は、ヒロセ電機、日本航空電子工業、京セラ、フジクラ、イリソ電子工業などが挙げられる。

【モータ】モータは電気エネルギーを動力に変換する装置である。モータはエアコンやパソコン、HDD(ハードディスクドライブ)、スマホ、自動車、ロボットなど用途は広い。私たちの身近で言えば、BDD(ブルーレイディスクドライブ)や電動自転車、自動車のパワーウインドウなどもモータで動いている。主なメーカーは日本電産、マブチモーター、ミネベアミツミ、安川電機など。

最後に電子部品メーカーの採用について。コネクタ大手のヒロセ電機の募集要項で職種を見ると、海外営業、国内営業、総務、人事、経理、経営企画などとなっている。また日本電産の場合は、海外営業、国内営業、経理・財務、法務、広報・IR、総務、人事、経営企画となっている。このように大手部品メーカーはほぼ同じような職種の募集となる。海外営業(グローバル化でニーズが高い)では語学力や異文化適応能力、経理や法務、広報・IRなどでは将来的に高い専門性が求められる。ただほとんどの大手企業は社内教育が充実しているので、さほど心配する必要はないだろう。


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今回は食品業界から明治ホールディングスを取り上げる。

【明治ホールディングス】
明治ホールディングスは、我が国の食品企業で連結売上高1兆円をこえる最大手の一社である。同社のビジネスは大きく2つのセグメントに分けられる。

1つは、みなさんおなじみの食品だ。食品は事業子会社明治を通して、発酵デイリー事業(ヨーグルト、牛乳など)、加工食品事業(チーズ、バター、アイスクリームなど)、菓子事業(チョコレート、グミなど)、栄養事業(スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食など)、海外事業(米国、中国など)に携わっている。日常生活を通して、明治の「ミルクチョコレート」「きのこの山」「おいしい牛乳」「プロビオヨーグルトLG21」「R-1」「銀座カリー」などを口にしている方も多いだろう。スポーツ愛好家には、「ザバス」や「ヴァームウォーター」で身近な存在かもしれない。また昨今話題になっているポビドンヨードを有効成分とする「明治うがい薬」も販売している。

2つ目のセグメントは医薬品(医療用)である。事業子会社Meiji Seika ファルマを通して、抗うつ薬「リフレックス」やアレルギー疾患治療薬「ビラノア」、統合失調症薬「シクレスト」がよく知られる。同社はこういった中枢神経系領域やアレルギー・免疫領域の他にも、感染症領域、がん領域、ワクチン領域、ジェネリック医薬品などを手掛けている。

医薬品では、ワクチン領域が注目されよう。明治ホールディングスと明治Meiji Seika ファルマは、2018年に熊本の一般社団法人化学及血清療法研究所の医薬品事業を子会社化(両社合わせて48%出資)し、KMバイオロジクス社を発足させた。Meiji Seika ファルマはワクチンの販売を手掛けていたが、KMバイオロジクスによってワクチン製造部門も手に入れることになった。

現在、新型コロナウイルスのワクチンの開発が各国の大手医薬品会社等で進んでいるが、Meiji Seika ファルマとKMバイオロジクスは英アストラゼネカ社が我が国に導入予定の新型コロナウイルスワクチンの国内安定供給に向けた協議を始めたという(2020年6月26日付Meiji Seika ファルマのプレスリリース)。アストラゼネカがワクチンの原液を提供し、KMバイオロジクスが製造、Meiji Seika ファルマが保管・配送を行う模様である。

またKMバイオロジクス自体も国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、医薬基盤・健康・栄養研究所との協業で新型コロナウイルスのワクチン開発に取り組んでおり、直近の2020年8月7日に厚生労働省「ワクチン生産体制等緊急整備事業」(第一次公募)の事業者に採択された。

この先、新型コロナウイルスワクチンの製造、そして国内販売が実現した場合の明治ホールディングスへの業績寄与がどうなるかは現時点でははっきりしない。しかしながら、同社が国民の健康のために全力をあげていること、言い換えれば社会に貢献している点に着目していただきたい。

ここまで見てきたように、同社には食品企業としてはきわめて大きなビジネスフィールドがある。そのきっかけとなったのが、2009年の明治製菓と明治乳業の経営統合だったと思われる。この経営統合により共同持ち株会社の明治ホールディングスが設立され、2011年にはグループ内の再編により食品事業会社明治と医薬品事業会社のMeiji Seika ファルマが発足したのである。

私自身は2009年の明治製菓と明治乳業の統合時に明治乳業の担当アナリストであった。2008年の9月11日昼頃に突然、明治乳業IR部門から連絡があり、同日夕刻に東陽町の本社で行われたアナリスト・機関投資家向け経営統合説明会に出かけたことを昨日のことのように思い出す。

この両社は事業分野で重なることころがなく、また源流も同じ旧明治製糖(現大日本明治製糖)の子会社に遡る(ここでは触れないが大正から昭和にかけての両社の歴史、明治乳業誕生の経緯は大変興味深い)。かつて兄弟会社だったからだろうか、私は両社の企業風土や社風がとても似ている印象があったため、この経営統合は成功するだろうとポジティブに捉えた。私以外にも、そのように評価したアナリストは多かったと記憶している。それから10年超経過したが、どうやら私を含めたアナリストの想定通りにシナジーが出ているようだ。

同社は2018年に中長期の経営計画「明治グループ2026ビジョン」を策定した。それによれば、数値目標として営業利益成長率1桁台半ば以上(年平均)、海外売上高比率20%、ROE10%以上を掲げている。さらに重点方針として、(1)コア事業(食品ではヨーグルト・チョコレート・栄養食品、医薬品では感染症・ワクチンなど)での圧倒的優位性の獲得、(2)海外市場での成長基盤の確立(中国、東南アジア、米国)、(3)健康価値領域での新たな挑戦、(4)社会課題への貢献、の4つを打ち出している。

本ブログでは、(4)の社会課題への貢献に焦点を当ててみたい。社会課題への貢献は「明治グループ2026ビジョン」のなかのサステナビリティビジョンの方針として定められている。具体的には、明治グループが事業を通じて社会課題の解決に貢献し、人々が健康で安心して暮らせる「持続可能な社会の実現」を目指すという。その取り組みとして、①こころとからだの健康に貢献(健康食品の提供、食育など。先に取り上げた新型コロナワクチンの開発もここに入る)、②環境との調和(CO2排出量の削減、水資源の確保、地球生態系の保護など)、③豊かな社会づくり(多様性の尊重と人材育成、人権の尊重など)、を挙げている。

これらの取り組みを進めるため、同社は2019年10月にサステナビリティ推進部を設置し、「持続可能な社会の実現」に向けて、グループ全体のサステナビリティ戦略を立案・推進している。同社HPに開示されているESGミーティング資料「サステナビリティの取り組み」(2019年12月17日)によれば、脱炭素社会、水資源の確保、循環型社会の実現、トレーサブルカカオの拡大、認証パーム油への100%代替などを目指し、すでに工場への太陽光発電設備の導入を進めているほか、RSPO認証(マスバランス)を菓子、アイスクリーム、乳幼児ミルクで取得している。

加えてガバナンスの面でも同社にはCSO(Chief Sustainability Officer)というグループのサステナビリティ戦略や活動を統括するポジションを置いている。CSOは取締役専務執行役員が担当しており、CEOやCFOと並ぶ上級マネジメント職である。こうした同社のESGを意識し、SDGsに前向きな企業姿勢は高く評価すべきだろう。

最後に採用について。同社は事業会社明治とMeiji Seika ファルマの両社で採用を行っている。文系では事務(経理・人事・総務・法務・情報システム・物流)や営業(営業・マーケティング・商品企画)がメインとなる。同社はSDGsの取り組みの一つとして上述したように「多様性の尊重と人材育成」を掲げている。そのなかで2026年度までに女性管理職10%以上(2018年度3.1%)、女性リーダー420名以上(同171名)に引き上げる意向である。明治とMeiji Seika ファルマの入社を希望する女子学生のみなさんは、それが叶えば将来活躍できるチャンスはとても大きい。チャレンジする価値は十分にある。

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今回は食品業界から日清食品ホールディングスを取り上げる。

【日清食品ホールディングス】
日清食品は、「チキンラーメン」や「カップヌードル」「ラ王」「出前一丁」「UFO」「どん兵衛」などでみなさんのとても身近にある食品会社だろう。日清食品ホールディングスの傘下には、中核事業会社である日清食品のほか、2006年にM&Aで子会社化した明星食品(主要製品は「チャルメラ」「中華三昧」「一平ちゃん」など)、乳酸菌飲料などを手掛ける日清ヨーク(「ピルクル」「十勝のむヨーグルト」)などがある。

日清食品と聞けば、創業者の安藤百福による「チキンラーメン」の開発物語をご存知の方も多いだろう。安藤百福は、やや古くなるがNHKの連続テレビ小説『まんぷく』の主人公のモデルとしても取り上げられた。「チキンラーメン」の開発について興味のある方は、"魔法のラーメン発明物語"(安藤百福、日経ビジネス人文庫)や"転んでもただでは起きるな!"(安藤百福発明記念館編、中公文庫)をぜひご一読いただきたい。

私自身は東南アジア企業担当アナリスト時代、インドネシア(即席麺で世界第2位の消費量)で主力の袋麺「インドミー」をもって国内90%の圧倒的なシェアを築いていた同国の食品最大手インドフード(Indofood Sukses Makmur Tbk)をフォローしていた。インドフードは日清食品との間で合弁企業ニッシンマス社を展開していたが、2014年に日清食品が合弁を解消し、インドネシアでの事業展開を加速させることになった。

一方で国内食品企業アナリスト時代は日清食品ホールディングス(持株会社化になったのは2008年)がカバレッジ銘柄ではなく、残念ながら同社を直接フォローしたことはない。しかし同社の二代目社長である安藤宏基氏の経営、マーケティング、海外展開、人材育成、業績および株価動向などについては一貫して注目してきた。

日清食品ホールディングスは2016年に公表した2020年度を最終年とする中期経営計画で時価総額1兆円(2015年度5,700億円)、海外営業利益比率30%以上(同11%)、ROE8%以上(同7.4%)を目標としている。このうち、時価総額1兆円は2020年6月30日に達成(これは単純に株価が倍になったということだ)、ROEも2020年3月期で9%となっており、すでに目標値をクリアしている。海外営業利益比率は若干未達の28%超の見込みながら、直近のわずか4~5年で海外営業利益比率が1割から3割近くに急拡大したのは見逃せない。同社は一気にグローバル食品企業に急成長を遂げたのである。

来年にかけて新たな新5ヵ年中期経営計画が策定される。私はどのような中計になるか大いに注目している。おそらく最終年となる2025年度の海外営業利益比率50%以上、ROE10%以上といった目標数値を打ち出してくるだろう。安藤社長の経営手腕もすばらしい。三代目で日清食品の社長を務める徳隆氏への禅譲という話も出ているようだが、その場合でも会長として三代目の経営をサポートされることになろう。日清食品ホールディングスの成長は今後も続くと予想する。

足元の業績について。日清食品ホールディングスは2020年8月5日(水)に2021年3月期第1四半期決算(IFRS)を発表した。それによれば、売上高1,205億円(前年同期比13.9%増)、営業利益174億円(同2倍)、純利益121億円(同2.1倍)と好調だった。新型コロナの影響で巣ごもり消費が増え、国内・海外(米国、ブラジル、中国など)ともに、「カップヌードル」や袋麺が伸びたという。通期の営業利益会社予想は435億円(前期比5.4%増)と手堅い数字となっている。今期はとくに利益面で計画を上振れする公算が大きい。

次に人材育成について。同社は世界で活躍できる人材を「グローバル・SAMURAI」と呼んでいる。安藤宏基社長の著書"日本企業 CEOの覚悟"(2016、中公文庫)にはそうした人材100人を特定しているとの記述がある(同書172ページ)。それから5年ほど過ぎた2020年5月12日に開催された2020年3月期の決算電話会議(アナリスト・機関投資家向け)社長プレゼン資料には、グローバル人材プールが190人になったとの記載があった。海外ビジネスの即戦力になる「グローバル・SAMURAI」が着々と増えているのだ。

同社は企業内大学など入社後の年代に応じ体系化された人材育成プログラムの存在でも知られる。「海外トレーニー制度」や「マーケティング・宣伝トレーニー制度」もある。入社すれば、いろいろな局面で勉強させてもらえる機会は多そうである。

日清食品グループを志望する学生諸君は、これまで紹介した3冊に加え、安藤社長の著書残り2冊、"カップヌードルをぶっつぶせ!"(中公文庫)、"勝つまでやめない!勝利の方程式"(中公文庫)もぜひ読んでおくこと。安藤社長の経営のやり方がさらに理解できると思う。最後に一言。ここまで海外展開や業績のことを中心に書いてきたが、同社はマーケティングでも超一流だ。マーケティングに関心がある学生諸君も思い切り活躍できるフィールドが同社にはある。

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前回のブログは特別編として、新型コロナウイルスによる企業の採用活動の現状と見通しを考察し、それを踏まえたうえで就活中のみなさんへアドバイスをお届けした(2020年5月16日付)。ブログで述べたように、6月以降は企業の採用活動が一気に本格化し、本稿を執筆している6月末現在は採用の第一波が来ているようである。すでに内々定を得ている就活生のみなさんもおられるだろうが、全体としては今が正念場といえる。梅雨本番でじめじめした日が続くが、ぜひがんばって欲しい。

今回のブログも特別編として「資格試験にチャレンジしよう」と題して、資格取得の重要性について触れてみたい。仕事に直結する資格を持っていれば就職に有利なことは言うまでもないが、内定を獲得し卒業論文・卒業研究にほぼ目途が立ったという4年生のみなさんにもぜひ人生に役立つような難関資格にチャレンジして欲しい。入社後の社内評価や人事異動、さらには将来のキャリア計画、ライフプランに影響するからである。また大学1~3年のみなさんは、今後のキャリア計画を念頭に置きつつ、取得に複数年かかるような資格の勉強をスタートして欲しい。勉強のスタートが早ければ早いほど有利だ。

志望する業界で必要な資格、入社後に資格取得を義務付けられる資格、持っていれば一目置かれる資格、昇進・昇格に影響を与える資格、転職に有利に働く資格を大学4年次、すなわち就活時にすでに保有していることは企業から高く評価され、よほどのことがない限り第一志望もしくは第二志望の会社から内定を獲得することができるだろう。

資格をクリアしたことで、技能や専門知識はもちろんだが、合格までの努力が認められるのだ。面接で「この業界が好きなのでがんばります」などと言っている学生とは「結果」を出している点で雲泥の差がついている。それでは、どんな資格が有効なのだろうか。以下では、具体的な資格を紹介しながら、検討することにしたい。

【TOEIC®800以上もしくは英検®準1級】(すべての業界)
これは前々回紹介したヤクルト本社の総合職海外系の応募要件と同じである。海外経験がなくても、国内でコツコツ勉強して、このレベルに達した学生はどの企業からも評価が高い。今の日本は業界や企業規模を問わず英語のできる人材が求められる。国内マーケットだけではもはや成長できないからである。外資系企業だけでなく、日本企業でも英語はできて当たり前の世界になる。というか、もうなっている。「私は英語ができませんから」などと笑っていたような時代は過ぎ去ったのだ。

レベル的には上述したように大学4年春時点でTOEIC800以上もしくは英検準1級を目標にすればいいだろう。ただ入社が決まった後でも(もちろん入社後でも)、さらに精進を重ねTOEIC900、英検1級を目指してほしい。私の場合は勤務先の会社でビジネススクールへの留学が決まった。社内選抜で留学が内定した時点ではTOEFL®520(PBT)の実力しかなかったが、スコア提出期限までの約3ヵ月集中して勉強した結果600近くまでスコアが上昇した。TOEICは受験したことはないが、TOEFLやGMAT®(ビジネススクールで必要とされるスキルを測るテスト)を受けた経験からすれば、この手の試験で必要なのは慣れである。問題のパターンや問題文に出てくる単語はほぼ決まっているので、過去の問題演習を繰り返せばスコアは必ずアップする。

キリンホールディングスの磯崎功典社長の「私のリーダー論(上)」が日本経済新聞夕刊(2020年6月25日)に載っていた。これによれば、磯崎さんは同社のなかでは本流とされるコースではなく、出資していたフィリピンのサンミゲルの副社長などを経験されたという。しかし、その後キリンビール社長を経て現在はホールディングスの社長として活躍されている。これからは、こうした海外経験のある人材が一段と重用され、企業の経営幹部に出世していくと思われる。TOEICのスコアが高ければ、海外赴任のチャンスが高まるのは当然の話だ。この点でも学生時代から英語力を磨いておく必要がある。

【USCPA】(上場企業、海外展開企業など)
USCPAは米国公認会計士資格で、(1)FAR(Financial Accounting & Reporting):企業や組織を運営するための会計知識、(2)BEC(Business Environment & Concepts):経済学概論やIT概論、企業統治と管理会計、(3)REG(Regulation):アメリカ連邦税法とビジネス法規、(4)AUD(Auditing & Attestation):監査手続き、会計士としての責任、の4科目がある。

日本人の合格率は英語での試験ということもあってか、30%程度と低い。しかし、グローバル企業や外資系企業で経理の仕事を目指すのであればUSCPAはほぼ必須の資格と言えるだろう。USCPA は、USGAAP(米国会計基準)のみならず、IFRS(国際会計基準)の知識も求められるからである。東証上場企業では近年IFRSを適用する企業が急速に増えている(直近で東証上場企業の220社以上がIFRSを適用、時価総額ベースでみればIFRS適用企業の割合は40%程度とみられる)。このため、USCPAを持っていれば、将来キャリアアップの転職に踏み切るときも有利に働くだろう。

【簿記1級】(すべての業界)
経済学部や商学部、経営学部の学生で簿記2級の資格を保有している学生は少なくないだろうが、さすがに1級となるとあまりみかけない。合格率10%の試験なのでハードルが高いのだろう。しかし、簿記1級を持っていると履歴書の段階で他の学生と圧倒的な差がついている。業界を問わず志望企業への入社は叶えられるだろう。将来は、税理士や公認会計士を狙うこともできよう。

【証券アナリスト】(証券、資産運用、コンサル、メガバンク、保険、上場企業のIR職など)
証券アナリスト資格(CMA®)は一次試験と二次試験があるので、最短でも取得に2年かかる。この資格を持って実際にアナリスト業務もしくは関連業務(ファンドマネージャーやIR職など)に就いている人は感覚的に50%程度と思われる。しかし金融業界では、入社時からこの資格を持っていれば周囲から一目置かれ、かつ入社後すぐにアナリストやファンドマネージャー職に就くチャンスが広がることは間違いない。この資格は私も持っている。難易度は「やや難しい」とされるが学生でも十分取得可能と思われる。とはいえ、証券分析などでは数II(一部数III)レベルの問題も出題されるので、数学が苦手という方は高校のテキストで復習する必要があろう。

日本のアナリスト資格を取得した次のステップとして米国の公認アナリスト資格(CFA®)にチャレンジしてほしい。CFAは難易度が高く相当な英語力や専門知識がなければ合格できない。しかも3次試験まであるので、最短でも合格に3年を要するのだ。業界では米国のトップ30ビジネススクールのMBAに匹敵する資格とも言われる。それだけ実力が認められ、尊敬を集める資格なのだ。CFAを保有していれば大手金融機関や外資系金融機関、外資系コンサルなどで高年収、かつやりがいのあるポジションで活躍することができるだろう。ファイナンスの専門家として研究者に転身する道もある。

【宅地建物取引士】(不動産、金融機関、建築会社など)
宅地建物取引士、いわゆる宅建は国家資格で、この資格がないと不動産の売買や仲介の仕事をすることはできない。したがって不動産関連企業では取得が必須とされる。この資格試験を通して不動産取引の勉強をしたいという一般の方も多く受験するので、合格率は低い(2019年度の受験者約22万人、合格者約3万8千人で合格率17%)。しかし合格者に聞くと、宅建はすべてマークシート方式の4択問題なので、しっかり勉強すれば必ず受かるという。不動産会社を志望する学生であれば、入社前にこの資格を取得しておけば内定に一歩近づくと言ってよい。

これまで見てきた資格以外にも役に立つ資格はあるだろう。一方でせっかく取得したのにあまり評価されない資格もある。将来のキャリアプランを踏まえて、どの資格取得に注力するか見極めが必要だ。なお大学によっては、資格取得奨励金給付制度があるところもあるのでキャリアセンターで確認するとよい。自分の将来のキャリアプランを見据えて、資格取得に向けて頑張って欲しい。

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今回のブログは業界分析ではなく特別編として、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)による企業の採用活動の現状と見通しを考察し、それを踏まえたうえで現在就職活動中のみなさんへアドバイスをお届けしたい。

【企業の採用活動の現状と見通し】
例年であれば3月から企業の広報活動が解禁され、6月の選考開始直後から「内定出し」というスケジュールである。しかし新型コロナの影響を受けた2021年春採用については、一部の大企業を除き大幅に停滞しているのが実情であろう。3月から企業の採用担当者そのものが在宅勤務に切り替わったことに加え、大手就職支援サイトが実施する大規模な企業説明会などのイベントなどが軒並み中止に追い込まれ、企業と学生との出会いの場もなくなったからである。選考そのものが進捗していないのだ。

5月以降は、オンラインでの企業説明会が増えてはいるものの、私の感触ではざっくり例年より1~2カ月程度、採用スケジュールが後ろ倒しになっている印象を受ける。このため、在宅でのネット環境整備等で就活のスタートに出遅れた学生、企業からの連絡がこなくて心配している学生のみなさんも特段あせる必要はないだろう。私は企業の採用活動が本格化してくるのは恐らく東京や大阪で緊急事態宣言が解除される6月からで夏が山場になるとみている。

企業の採用方法についても触れておきたい。従来の対面型の説明会や面接は姿を消し、大半の企業がオンラインでの説明会と採用面接に切り替わった。日立製作所などは最終選考まですべてオンラインで行うと表明している(産経新聞2020年5月2日)。新型コロナの状況にもよるが、通常個人面接は応接室や比較的小規模の会議室で行うケースが多いため感染リスクがある。このため、日立のようにすべてオンラインで「内定出し」まで行う企業が増えることも念頭に入れておきたい。

新型コロナの影響により企業の採用計画が白紙に戻るのではないかと心配する向きもあろう。5月15日(金)にピークを迎えた東証1部上場企業の決算をみる限り、今年度の業績見通しは半数以上が「未定」としている。大企業でも先行きが見えないのである。非上場や中堅企業、中小企業はさらに厳しい状況にあると思われる。今のところ採用計画を見直すといった企業についての報道は確認してない(2020年5月16日現在)。不幸中の幸いと言えよう。ただ今後の業績によっては、採用計画見直しの方向に動くかもしれない。とくに新型コロナの影響が大きい小売り(とくに百貨店)や外食、旅客運送(なかでも空運)、観光(旅行、ホテル等)などで新規採用を控えたり、縮小する動きが出てくる可能性はある。このあたりは注意深く見守っていきたい。なお、大手上場企業では今年度よりも、むしろ来年度の採用を抑制する動きが強まるかもしれない。

【就活中のみなさんへのアドバイス】
事実上、企業の採用活動が滞ったことやオンラインでの説明会や面接に切り替わったこと、ネット環境の整備などみなさんの多くは精神的に疲れたこととお察しする。大学のキャリアセンターとも直接相談ができず、どうしていいかわからず戸惑われた方も多かったのではないだろうか。以下では、みなさんに私から3つのアドバイスをお送りする。

アドバイス(1) オンライン就活に慣れる
企業の採用活動がオンラインにシフトしたため、みなさんはWebでの説明会や面接に慣れる必要がある。対面ではないので、面接官の反応がわからないと不安を覚える方もいるだろう。かくいう私も5月からオンライン授業を行っているが、学生の反応がわからず心配な面もある。企業の面接官もみなさんとのオンライン面接は初めての経験なので同じ気持ちだろう。必要なことはオンライン面接に慣れることである。オンライン面接では画面の映り方(背景や明るさ)、声のトーンなど細かいところで面接官の印象が変わる可能性もある。面接システムの操作もスムーズに行わなくてはなるまい。友人やキャリアセンターの教職員の方々との入念な事前練習をお勧めする。

アドバイス(2) 業界研究・企業研究をしっかりやる
オンライン説明会が通常の世界になりつつあることを前提にすれば、どうしてもBtoC(消費者向け)の大企業に学生の関心が集中し、競争が一段と激化することになるだろう。しかし、そこは踏み込んだ業界研究・企業研究を行うことが肝要だ。私がこれまでのブログで繰り返し書いてきたように企業の中期経営計画など将来の方向性をしっかり把握しておくことが特に重要である。またBtoCに限らなくともBtoB(法人向け)業態の企業、知名度がさほどなくても優良な企業は数多くある。もちろん、ベンチャー企業やソーシャルビジネス、NPO法人などといった選択肢もあるだろう。

アドバイス(3) コロナ後を見据えた視点に立つ
今回の新型コロナは我が国のみならず、世界の国々に多大な災いをもたらしている。およそ100年前のスペイン風邪の前例をなぞると、完全に終息するまで2~3年かかるという見方もある。在宅ワークやオンライン採用もその一つだが、コロナ前とコロナ後では、パラダイムシフト(社会全体の考え方、価値観が非連続的ないしは劇的に変化すること)が確実に起きる。元の世界には決して戻れない。企業、そしてそこで働く社員も大きく変わらざるを得ないのだ。

面接では、この点を踏まえて自分の考えを堂々と熱く語ればいいだろう。例えば、「御社はコロナ後に〇〇〇のように変化していくと思います。私はこういった役割で貢献したい」といった感じである。自分が「変化に対応できる人材」であることを強調すればよい。

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今回は食品業界からヤクルト本社を取り上げる。

【ヤクルト本社】
「ヤクルト」の歴史は京都帝国大学医学部で微生物の研究をしていた代田稔博士が1930年(昭和5年)、「ヤクルト」の基になっている乳酸菌シロタ株(L.カゼイ・シロタ株)の強化培養に成功したことに始まる。創業は5年後の1935年(昭和10年)で「ヤクルト」の商標で製造販売を開始した。代田博士は感染症で命を落とす多くの子どもに胸を痛め、病気にならないようにする予防医学の観点で微生物の研究を行っていた。「ヤクルト」を毎日飲むことでお腹が健康になったのだ。

その後、年月を経てヤクルト本社は日本を代表するグローバル企業に成長した。2018年現在、「ヤクルト」をはじめとする乳製品は国内・海外合わせて毎日4000万本が販売されている。また主力の「ヤクルト」をはじめとする乳酸菌飲料のほか、乳酸菌技術で自社開発した医薬品(抗ガン剤カンプト)や化粧品なども手掛ける。

次に同社主力の乳製品の販売方法について触れてみたい。主力の「ヤクルト」など乳製品の物流は国外と海外で異なる。まず国内は、(1)本社から全国に100社以上ある販売会社に商品が流れ、その地域販売会社がヤクルトレディ33,848人(2019年3月末)を通して宅配する。(2)本社が直接小売量販店(スーパーやコンビニなど)に商品を卸して量販店が販売する、という二つがある。乳製品の国内チャネル別販売比率はほほ半々である。

一方、海外も国内と同様に同社の海外事業所がヤクルトレディ(47,269人、2018年12月末)を通して販売する、もしくは量販店を通して店頭で販売する、の2つがある。2018年の年間累計の販売比率はヤクルトレディ42.5%、店頭57.5%(数量ベース)である。海外は国内に比べ利益率が高い。これは海外に日本のような地域販売会社がないことに起因する。

みなさんはもうお気づきだろうが、同社の販売方法はヤクルトレディによる宅配に特色がある。日本だけでなく、中国(主に広州や上海)やインドネシア、メキシコ、ブラジルなどに多くのヤクルトレディが自転車で家庭に「ヤクルト」を届けているのである。ヤクルトレディという独自のビジネスモデルが日本だけでなく海外でも成功したのは「ヤクルト」が説明商品であったことが大きい。ヤクルトレディから顧客が直接「ヤクルト」の効き目について説明を受け、実際に「ヤクルト」を飲んで整腸作用を体感するというサイクルで世界の人々に受け入れられたのである。

直近の業績について。ヤクルト本社の2020年3月期は売上高、営業利益ともに会社予想ベースで前年比微増もしくは横ばいにとどまる見通し。中国での販売が伸び悩んでいるようだ。新型コロナウィルスの影響もあるだろう。ただ営業利益予想の460億円は過去最高で、10~20億円程度未達になったとしても、私がアナリストとして同社を担当していた2006年~2011年頃の営業利益が200億円前後だったことを鑑みれば成長軌道に乗っていることが窺えよう。

2020年3月期のような一時的な伸び悩みはあるにしても、同社の成長は今後も継続すると予想する。ベトナムインドネシアなど人口が多い国々での伸びが期待できるからである。また日本など先進国では健康増進やガン予防、美容目的が大半と思われるが、そのような需要も堅調に推移しよう。

同社は2019年10月に国内の宅配ルートで新商品「ヤクルト1000」を発売した。これは、通常の「ヤクルト」に比べ、乳酸菌シロタ株が5倍程度入ったもので、「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」をうたった機能性商品である。日経新聞などの報道によれば、「ヤクルト1000」は計画を上回る伸びが続いているようで、仮に全国での店頭販売に拡大すれば一段の売上増が期待できるだろう。

ではヤクルト本社のHPの採用情報を見てみよう。総合職コース事務系は営業企画業務(事業企画立案、販売促進企画立案など)、営業推進業務(販売会社支援活動、販売会社スタッフの教育・育成など)、管理業務(総務、人事、広報、経理など)、海外営業推進・管理業務(海外事業所での営業推進、販売促進策企画立案など)である。

一方、総合職海外系は以下のような応募資格がある。すなわち、「入社後早期からの海外赴任を希望し、その後のキャリアも海外勤務をメインに活躍したい」という意思を持っていることが前提であり、かつ以下のいずれかの条件(必須)を満たす学生に限るという。

その条件とは、(1)高校入学以降の期間で海外滞在経験が1年以上ある、(2)TOEIC800点以上または英語検定準1級以上、(3)外国人留学生で、かつ日本語を日常会話レベル(日本語検定N1レベル)で話せる、(4)海外大学に在籍している、である。ヤクルト本社の総合職海外系の職に就くにはこれほどハードルが高いのだ。しかしながら(2)のTOEIC800点以上または英語検定準1級以上は、海外経験がなくても1~2年間がんばれば十分可能だろう。もし私が学生だったならば総合職海外系にチャレンジしたいところである。

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