今回は証券業界を取り上げる。ここにきて証券会社のサービスは多様化している。従来型証券会社では、1)個人投資家や機関投資家の株式や債券の売買注文を仲介するブローカー業務、2)証券会社自身が自己資金で株式・債券を売買するディーリング業務、3)企業が株式や債券を発行する際に証券会社が引受けて個人や企業に販売するアンダーライティング業務、4)新規公開にかかわる株式の募集および売出しを取り扱うセリング業務、の4つが主力ビジネスであった。

ところが最近では1999年の株式売買委託手数料の自由化などを経て、証券会社もリテール部門では株式よりも投資信託販売や保険販売、そしてラップ口座や積立投信といった顧客資産の残高によって手数料を得る資産管理型ビジネスに注力している。また法人向けのホールセール部門ではM&Aの仲介や資本提携の仲介といった投資銀行(インベストメントバンク)ビジネスに力を入れている。

現在の証券会社は3つのグループに大別される。一つ目は独立系大手の野村ホールディングスと大和証券グループ本社である。預かり資産や収益で業界のトップ2である。かつて日本には野村證券、大和證券、日興證券、山一證券という4大証券があった。しかし山一證券は1997年に経営破綻し、日興證券はシティバンク傘下にあったが、現在はSMBC日興証券としてメガバンクである三井住友フィナンシャルグループの証券会社となった。

そのメガバンク系証券(二つ目のグループ)にはSMBC日興証券のほかに、みずほフィナンシャルグループのみずほ証券、三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券がある。メガバンク系証券会社はグループの銀行や信託銀行などと銀証一体化を推進しており、銀行顧客の紹介を受けているほか、事業承継やプライベートバンキングビジネスを積極化させている。

三つ目はネット証券である。株式売買手数料の安さを武器に2000年代に入り急成長を遂げた。今では大半の個人投資家はネット証券で株式の売買を行っている。主な会社として、最大手のSBI証券をはじめ楽天証券、松井証券、カブドットコム証券、マネックス証券、GMOクリック証券などがある。

それぞれの会社に特長があり、楽天証券は親会社楽天とのシナジーを目指し、GMOクリック証券はFX取引に定評がある。マネックス証券は米国第6位のネット証券トレードステーションを保有しているほか、仮想通貨ビジネスに参入している。カブドットコム証券は三菱UFJフィナンシャルグループ系だが、2019年2月12日にKDDIの傘下に入ることが明らかになった。Auカブコム証券になるということだ。

証券各社の業績は基本的に株式相場動向に左右される。ただ先に述べたように、独立系大手やメガバンク系証券会社は資産管理型のビジネスを強化し、また投資銀行ビジネスを拡大することで、相場が悪くても収益を得られる体制作りを行っている。またネット証券も仮想通貨など新規ビジネスに注力している。仮にこの先株式相場の長期低迷が続いたり、リーマンショックのような出来事が起こったりしたとしても証券各社の業績悪化リスクは以前より減少しているのかもしれない。

ネット証券以外の証券会社は総合職採用で入社後は伝統的に支店でリテール営業を数年やることになる。その後は本人の希望や適性に応じて幅広い職種に異動する。リテール営業を続けるものもいれば、法人営業、ディーリング、トレーディング、IPO、コンプライアンス、M&Aなど投資銀行業務、証券調査、国際部、海外現地法人、本部(人事、研修、法務、総務)などに異動するものもいる。いずれも専門性が極めて高い職種である。証券マンにとどまらず世界を相手にするインベストメントバンカーやプライベートバンカーなど活躍できるステージは無限にある。

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今回は地方銀行を取り上げる。地方銀行は旧相互銀行、いわゆる第2地銀も含めると全国に104行ある。メガバンクと同じく預貸金利鞘の縮小や有価証券利回りの低下など深刻な運用難により、2018年3月期の地銀合計の当期純利益は9,563億円(前期比0.9%減)となった。

足元の状況が厳しいことに加え、地銀の場合は将来的に人口減少による地域経済の縮小という構造的な要因による資金需要の継続的な現象が見込まれている。2018年4月11日公表された金融庁の有識者会議の報告書「地域金融の課題と競争のあり方」には、今後の地方銀行の存続可能性が示された。それによれば、道府県単位で地方銀行2行の存続が可能な地域は宮城、神奈川、愛知、福岡など10府県、1行単独なら存続可能が北海道、京都、愛媛、熊本など13道府県、1行でも存続困難が青森、富山、和歌山、島根、宮崎など23県であった。

このため金融庁では、この先地方銀行の再編集約を推し進めていくものとみられる。加えて同庁では地銀に対して、将来に向けた「持続可能な経営モデル」を要求している。これは単なる合併で一息つくのではなく、将来にわたって持続していけるビジネスモデルへの変換を迫っているのである。地方銀行にとっては、残された時間が少なくなってきているという現実がある。

このように地方銀行は将来的にも厳しい状況が続くのは間違いない。現在も地銀は再編の過程にあるが、この先5~6年以内にさらなる再編や淘汰が起きるのは確実な情勢と言える。このため、地銀を志望する学生諸君はそれなりの覚悟を持って入社試験に臨む覚悟が必要だろう。

しかしながら、将来の再編や淘汰など重々承知で自分の愛着のある地域経済に貢献したいという強い気持ちがある学生、逆風のなかであってこそ自分の実力が発揮できる考える学生、あるいは自分が新しい地銀のビジネスモデルを作り上げると考える学生にとっては逆にチャンスかもしれない。

地方銀行の募集職種は本支店業務(営業、窓口、為替など)がメインで、大半の銀行では新卒で入行すればほぼ全員が支店業務となる。支店で3年ほど経過した後は、本人の適性や希望により本社(経営企画、営業企画、人事、広報、法務、コンプライアンスなど)への異動もあるものの、基本的には支店業務が中心となる。ただ地銀もメガバンクと同じように、支店数そのものは減少していくだろう。

最後に地方銀行の志望学生にぜひ読んでおいてほしい本や金融庁、日本銀行の調査レポートを紹介しておきたい。

「銀行員はどう生きるか」 浪川攻(2018)講談社現代新書
銀行員志望学生には必読の一冊。我が国のメガバンクや地銀の現状を概観し、その後米国の銀行の事例を詳細に紹介し、わが国の銀行もやがて米銀のようになってくだろうと指摘する。さらにフィンテック時代の銀行にも言及してある。大変革の渦中にある銀行業界がとてもよく理解できる。

「地域金融の課題と競争のあり方」2018年4月 金融仲介に向けた検討会議
(金融庁HPよりダウンロード可)
金融庁の有識者会議が地方銀行の抱える問題をまとめた報告書である。地方銀行の現状を理解するうえでぜひ一読をお薦めする。

「金融システムレポート」2019年4月 日本銀行
(日本銀行HPより全文と概要ダウンロード可)
金融システムレポートは日本銀行が半年に一度、金融システムの安定性を評価するため発表している。直近の2019年4月17日のレポートでは、企業の資金需要が現在と同じペースで減る場合、10年後の2028年度に約6割の地方銀行が最終赤字になるとの試算を示した。


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新たに金融業界を取り上げる。初回はメガバンクについて見ていこう。メガバンクは巨大金融グループもしくは巨大銀行の意味であり、かつて日本に10行以上あった都市銀行に加え、長信銀および信託銀行が1990年代から再編を繰り返し、リーマンショック後の2011年くらいに現在の形(3大メガバンク、2準メガバンク)となった。

3大メガバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(中核の銀行は三菱UFJ銀行)、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友銀行)、みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)である。また準メガバンクは、三井住友トラスト・ホールディングス(三井住友信託銀行)、りそなホールディングス(りそな銀行)である。それぞれのメガバンクは傘下に、資産運用会社、証券会社、クレジットカード会社などを抱えており、一大金融グループになっている。

メガバンクを取り巻く環境は厳しさを増している。これは2016年から続く日銀の低金利政策で銀行の収益の柱である預貸金利の鞘(預金と貸付の金利差)が抜けなくなっていることに起因する。このように銀行をとりまく経営環境が悪化するなかで、銀行はさらなる変化に直面している。

みずほフィナンシャルグループの坂井辰史執行役社長は週刊東洋経済(2018年12月29日、2019年1月5日合併号)のなかで、金融機関は1)少子高齢化、2)グローバル化、3)急速な技術進歩によるデジタル化、という三つの変化に直面していると指摘し、これらの流れにどう対応し構造改革に取り組むかが求められていると述べている。

また三井住友フィナンシャルグループ社長の國部毅グループCEOも「銀行業界が非常に大きな環境変化の中にいることは紛れもない事実です。これまでの銀行の常識や文化はもはや通用しない」と指摘する(文藝春秋2018年11月号の記事、三井住友社長「将来は"情報銀行"を目指す」)。

このような銀行業界の大変革期を迎え、メガバンクに求められる人材も大きく変化しているようだ。例えば、2018年にみずほフィナンシャルグループは、新卒採用に当たって「みずほらしくない人に会いたい」とのスローガンを掲げた。

これはみずほFGが過去数年の自社内定者の個性を全業界の平均値と比較分析した結果、協調性や問題解決能力が高い半面、新しい発想や変化を生み出す想像力や変革力が低かったことが背景にある。逆に言えば、今後は新しい発想や変化を生み出す想像力に富んだ人材や変革力が強い人材が必要ということである。このような人材採用に対する考え方はみずほFGに限らず、他のメガバンクも同じで、いずれも新しいタイプの銀行員を採用したいと考えているのだ。

このようにメガバンクの採用スタンスが大きく変化するなかで、従来は内定をいち早く獲得していたような真面目なエリートタイプの学生は苦戦するかもしれない。一方でこれまで書類選考で落とされていた学生でもベンチャースピリットがある学生、フィンテックに強い学生(=デジタル人材)、グローバル志向の強い学生であれば、有名大学でなくても内定をゲットできるチャンスは大きいと思う。

メガバンクの募集職種は幅広い。個人向けではプライベートバンキング、審査(住宅ローンなど)、支店業務などがある。ただ従来型の支店についてはネットバンキングの浸透などで、支店そのものが収益を生まない銀行の「不良資産」になっており、今後はすべてのメガバンクで支店の大幅な削減が進むと見られる。

法人向けでは、法人営業、M&A、引受(株式、債券)、事業承継、融資、海外などがある。さらに将来は本部業務(経営企画、営業企画、グループ戦略、人事、広報、IR、法務、コンプライアンスなど)に加え、グループの証券会社やリース会社などに出向するケースもあるだろう。

2019年4月2日付の日本経済新聞によれば、三菱UFJ銀行は2020年4月入社の新卒採用数を530人程度とし、前年に比べ45%減らす方針を固めたという。また2019年4月の採用を半減したみずほFGもさらに2割程度減らし500人台半ばとする方向にあるという。三井住友銀行も1割減の600人を計画している。メガバンク志望者には頭の痛い情報ではあるが、これからの銀行を待ち受ける変革の時代にマッチする気概のある学生にとって活躍の場は限りなく大きい。

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今回は総合商社を取り上げる。

総合商社はかつて1980年頃までは「ラーメンからミサイルまで」と称されたように幅広い商品を貿易などで仲介するトレーディングビジネスが主流だった。ところが、その後はメーカーが海外展開を本格化させたことで、メーカーと小売業の直接取引(中抜き)が進んだ。このため商社は事業会社や資源権益に投資をしてリターンを得る「事業投資」に注力することとなった。したがって現代の総合商社の事業モデルは、トレーディングと事業投資が二本柱になっている。

総合商社は、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅が大手5社で、トヨタ系の豊田通商、双日、兼松などが続いている。総合商社の業績はきわめて好調で、直近の2019年3月期は各社ともに過去最高益が見込まれる。これは、①資源価格の上昇で資源分野(出資した鉱山からの持ち分法利益取り込みや配当など)の収益拡大、②非資源分野(食品・機械、化学など)の成長、の二つによるものである。上述した事業モデルの二本柱がともに伸びている格好である。

総合商社は空前の業績拡大期にあるが、数年前の2014年度から2015年度にかけて資源価格の急落で軒並み赤字決算を余儀なくされた。そこで各社は資源頼みの経営からの脱却を図るべく、力を注いできたのが非資源分野の拡大である。例えば、三菱商事はコンビニ大手のローソンを子会社化(2017年)、また伊藤忠商事はユニー・ファミリーマートホールディングスを子会社化(2018年)している。

総合商社はコンビニ以外でもEV(電気自動車)、AI(人口知能)、デジタル、金融、農業(アグリビジネス)、エンターテインメントなどの新規ビジネスを拡大する構えであり、新たなビジネスモデルの構築を目指している。

総合商社でのキャリアは俗にいう「背番号制」で決まる。すなわち、新人で配属されたのが繊維部門であれば、定年まで国内外の繊維部門のポストを異動する。私の学生時代の友人も大手総合商社に入社し、機械部門に配属された。それから30年以上経過したが一貫して機械部門であり、現在はインドネシアに赴任している。ただ最近は部門を異動させる事例や早い時期に子会社に移動させる事例もあるようだ。総合商社の人事制度は,「背番号制」から少しずつ柔軟な方向に変化しつつあるのかもしれない。

総合商社は平均給与が高く、洗練されたイメージが強いためか就活生からの人気が集まり、入社のハードルはかなり高い。とくに英語力は高いレベルが要求される。このため、学生時代からTOEICなどの準備はしておいた方がいいだろう。入社後4~5年でTOEIC700点以上ないと海外駐在ができず、人事考課にも影響があるからである。英語ができなくても商社で活躍している社員はもちろんいる。しかし海外でビジネスを行ってこその商社である。ぜひ英語力(もしくは英語以外の語学力)を磨いて海外で活躍して欲しい。

エントリーシートや面接などでは、単に「海外で大きな仕事がしたい」と強調するより、総合商社が注力する新規分野で働きたい点をアピールすると、他の就活生との差別化が図れるかもしれない。例えば、最先端の農業を勉強して「アグリビジネスをやりたい」、あるいは「金融ビジネスを拡大させたい」などである。

繰り返しになるが、総合商社に入社するのは難関である。しかしチャンスはある。学生時代に自分を磨き、成長した自分を信じてトライしてみよう。

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今回は専門店を取り上げる。専門店は家具、アパレル、スポーツ用品、眼鏡・コンタクトレンズ、シューズ(靴)など多岐にわたる。2010年頃はイオンやイトーヨーカドーなどGMS(総合スーパー)が伸び悩み、「これからは専門店の時代だ」といった意見も多く聞かれた。それから10年近く経過した現在では、業績が好調な企業もあれはピークを打ったように見える企業もあって一概には捉えづらい。


しかしながら、総じて専門店業界で言えることは、1)海外展開を拡大している会社は業績の伸びが目立つ、2)国内市場はEC(インターネット通販:アマゾンや楽天、ZOZOTOWNなど)との競争が激化している、3)厳しい環境下においても業績拡大が続く専門店もある、などだろう。


本稿では専門店業界のなかから、業績好調な2社(ファーストリテイリング、ニトリ)を取り上げる。


ファーストリテイリングは2018年8月期に国内と海外のユニクロ事業がともに好調で過去最高の業績を達成した。売上高は2兆1,300億円(前期比14.4%増)、営業利益2,362億円(同33.9%増)である。とくに海外ユニクロ事業の伸びが顕著で、今2019年8月期は営業利益に占める海外ユニクロ事業の割合が国内ユニクロ事業を逆転する見通しである。


アジアを中心にユニクロの出店余地は大きく、ユニクロ海外事業は本格的な成長期に入ったばかりといっても過言ではないと考える。今や世界でのユニクロのブランドも確立された感もあって、同社の業績拡大基調はしばらく続くものと予想する。


ユニクロの新卒採用については事実上通年採用を実施しており、3月1日入社と9月1日入社がある。また同社の募集要項を見るとグローバル社員(世界に通用する実力を身につけグローバルで活躍したい人‐全国勤務(海外の可能性あり)と地域正社員(働く仲間とともに地域のお客様に貢献しながら長期的に活躍したい人。特定の地域に勤務)の2パターンの採用がある。


どちらを希望するにせよ、ファーストリテイリングのようなグローバルかつ高成長企業で働くことができれば将来的に自分の財産になると思う。ぜひチャレンジして欲しい。ちなみに同社の採用試験を受けるに当たっての必読書を3冊紹介しておく。ぜひ事前に読んで面接に臨んでいただきたい。


柳井 正(2003)「一勝九敗」新潮社
柳井 正(2009)「成功は一日で捨て去れ」新潮社
柳井 正(2012)「現実を視よ」PHP研究所


家具を中心にインテリア・生活雑貨に展開するニトリホールディングスも好調が続いている。2018年2月期は売上高5,720億円(前期比11.5%増)、営業利益933億円(同8.9%増)となり、創業50周年を31期連続増収増益で飾った。2019年2月期も順調に推移したので、32期連続増収増益を達成したものと思われる。


ニトリの強さは、製品開発に加え、製造、物流、販売まで全て自社で行っているため、コストコントロールが効きやすい点にある。加えて、商品開発力も高く、自社開発の冷感寝具「Nクール」や発熱素材を使った寝具「Nウォーム」の敷きパッドや毛布といった高機能商品が好調である。


私はアナリスト時代に決算説明会で似鳥昭雄社長(当時、現会長)の話を何度も聞いたことがある。話はとても面白く魅力にあふれるものだった。似鳥氏の話を楽しみにしていたアナリストは多かったと思う。同社に入社すれば、名経営者の似鳥さんとお会いして話すチャンスもあるだろう。それだけでもニトリに入社した意味があると考える。


ちなみに似鳥会長は週刊ダイヤモンド(2016年5月21日号、113ページ)のなかで今後は社員との交流にもっと時間を割いていきたいとしている。その記事を以下に紹介する。


---また「企業は人なり」ですから、人材育成のための指導や助言をもっとしていきたい。わが社は他社の4倍くらい社員1人に教育費を掛けていますが、もっと投資してもいい。社員がかわいくて仕方がないんです。数ある会社からわが社に入ってくれた人たちですから、「日本人の暮らしを豊かにする」という私のロマンとビジョンを共有して育っていってほしい---


同社の募集職種は総合職(店舗運営、法人営業、物流、商品企画、広告宣伝、他)である。ぜひ似鳥会長の薫陶を受けて活躍して欲しい。最後にニトリの採用試験を受けるに当たっての必読書を紹介しておきたい。


似鳥昭雄(2015)「運は創るもの」日本経済新聞出版社
2015年4月に日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」に連載されたものをまとめた本である。連載当初から読者の大反響を呼んだ似鳥氏の波乱万丈の一代記である。これはもう私が解説するまでもない。ニトリ志望者はもちろん、小売業を志す学生諸君全員に読んでほしい一冊だ。

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流通・小売業界の第三弾として百貨店を取り上げる。我が国の百貨店の総売上高は1991年に9兆7,130億円(日本百貨店協会)とピークを付けた後は長期低迷が続いている。直近の2017年は5兆9,532億円と2年連続の6兆円割れを余儀なくされた。ピーク時から40%近くの市場が縮小したのである。

ただし、ここにきての大手百貨店の動向を見ると、東京・大阪など大都市圏の店舗は富裕層の消費が堅調なことに加え、訪日外国人(インバウンド)需要もあって堅調に推移している。一方で、地方店は人口減少や消費不振の影響で苦戦が続いている。ここ数年で閉鎖に追い込まれた店舗も多い。このような百貨店の大都市店と地方店の二極化は今後も続くと思われる。

もう一点、近年の百貨店で触れておきたい点がある。それは、大手百貨店各社で不動産戦略に差があることである。J.フロントリテイリングは2017年4月に松屋銀座店の跡地を複合商業施設「GINZA SIX」としてオープン、百貨店ではなく不動産賃料収入で稼ぐビジネスモデルとした。また高島屋も2018年9月にオープンした日本橋の高島屋新館では賃料収入がメインとなっている。この2社は不動産事業の営業利益に占める割合が増えている。他方で三越伊勢丹ホールディングスは従来と変わらず自主編集売り場の割合が大きい。

このように百貨店大手が不動産ビジネスに力を入れているのは、かつての稼ぎ頭だった衣料品、とくに婦人服販売の低迷が続いているからである。詳細は省くが、この10年から15年の間、百貨店各社は経営統合をはさみながら自主編集売り場を拡大しながらアパレル販売の回復を目指してきた。しかしながら、なかなか結果が出なかったため、J.フロントリテイリングなどは不動産ビジネスに力を入れることになったのである。

以上をまとめると、百貨店の将来展望としては(1)大都市圏の店舗に集約される、(2)不動産ビジネスが今後も拡大する、の二点となろう。

百貨店の募集職種としては、販売やバイヤー(商品の仕入れを担当)、販売促進ないし販売支援、情報システムなどに加え、店舗開発や不動産に関連する業務などもある。高島屋にはデベロッパーの東神開発という不動産専門の会社もある。不動産業界志望の学生も百貨店で不動産ビジネスを希望するというのも可能だろう。

次に百貨店志望の学生諸君に読んで欲しい本を3冊紹介する。

「未完の流通革命」奥田務 (2014)日経BP
かつて大丸松坂屋の経営統合を主導し、初代J.フロントリテイリングの社長兼CEOとして辣腕を振るった奥田務氏による書である。奥田氏の入社以来の足跡をたどりながら、大丸およびJ.フロントリテイリングがいかにして成長していったのかが記してある。奥田氏の百貨店に対する深い愛情を感じさせる一冊だ。J.フロントリテイリング志望の学生にとっての必読書であり、またJ.フロント以外の百貨店志望を志望する学生もぜひ手に取って欲しい。

「百貨店の進化」伊藤元重(2019)日本経済新聞出版社
百貨店ビジネスを伊藤先生の幅広い切り口で分析した大変勉強になる本といえる。百貨店は江戸時代に創業し、今も生き残っている不思議な業態であるが、今後は「経営課題の中心の位置に情報技術を置くべき」と強調する。学生諸君は面接で「最近読んだ本は何ですか?」と聞かれることだろう。その際、「百貨店の進化」を読みましたと言って自分の感想を述べればよい。面接はまず間違いなく通過すると思われる。

「誰がアパレルを殺すのか」杉原淳一、染原睦美(2017)日経BP
この本はアパレルがなぜ不況に陥ったのかを詳しく分析した良書である。大丸松坂屋百貨店の好本社長や高島屋の木本社長のインタビューなども掲載されており中身が濃い。

本稿を書いている途中の2019年1月28日(月)のNHKの番組「プロフェショナル 仕事の流儀」で大丸の北海道物産展のカリスマバイヤーが取り上げられた。百貨店バイヤーの仕事の醍醐味に触れることができる素晴らしい番組だったと思う。百貨店はこれまでもそうであったように将来も必ず生き残る業態と考える。みなさんも百貨店で存分に実力を発揮していただきたい。

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流通・小売業界の第二弾としてドラッグストア業界を取り上げる。

我が国のドラッグストア業界の市場規模は6兆8,504億円(日本チェーンドラッグストア協会)であり、百貨店の市場規模(6兆円ほど)を上回る。ドラッグストア市場は拡大傾向が続いており、直近の3年間は5~6%の伸びを記録している。

ドラッグストアでは、医薬品や化粧品、健康食品、日用品などを中心に取り扱っているが、最近では弁当や総菜など食品を提供する店舗に加え、酒類、お菓子、加工食品などを揃える店も増えている。また調剤(医師からの処方箋で医療用の医薬品を提供する)を併設する店舗も拡大傾向にある。

ドラッグストアのビジネスモデルは低価格の食品や日用品(粗利益率10~20%)で集客し、利益率の高い医薬品や調剤、化粧品(同30~40%)で儲けるというものである。近年は上述のように食品などへの進出でスーパーやコンビニとの業界の垣根が崩れつつある。

ドラッグストア大手として、サンドラッグ、マツモトキヨシHD、ウエルシアHD、スギHD、コスモス薬品、ココカラファイン、ツルハHなどが挙げられるる。業績はここにきて人件費の上昇が利益を圧迫する形となって、四半期ベースで営業減益を余儀なくされるケースも目立つが、2018年度通期では多くの企業で営業最高益を更新する見込みである。

ここで主要各社の特色を挙げてみよう。マツモトキヨシHDは都市型店舗が多くインバウンドの外国人観光客向けに化粧品の売り上げを伸ばしている。ちなみに、同社の化粧品は売上高の4割を占め、前年比2桁の伸びが続いている。一方、ツルハHDはもともと北海道地盤だが、関東の「くすりの福太郎」や四国の「レディ薬局」などを買収して全国展開を進めている。また九州地盤なのがコスモス薬品で、現在は東に店舗を拡大させており、愛知県まで進出している。関東地区への出店もそう遠くない日に実現するだろう。なおコスモス薬品は食品が売上高の5割を超えているところに特色がある。

ウエルシアHDは持ち株会社になる前はウエルシア関東という関東中心のドラッグストアだったが、2015年2月にイオン系のCFSコーポレーションと経営統合し、業界トップに浮上した。筆者は2008年頃のアナリスト時代にウエルシア関東の決算説明会で創業者鈴木孝之氏(当時社長、故人)の話を聞いたことがある。その時に鈴木氏は、「調剤は儲かる。今後24時間調剤に一段と注力する」と強調されていた。その後病魔に倒れ、病床でイオンの岡田元也社長に後を託したという。ウエルシア関東の戦略はウエルシアHDになっても引き継がれており、同社は24時間調剤に力を入れている。

ドラッグストア業界各社は出店攻勢をかけており、2018年度の店舗数の増加率は前年度比7%増となる見込みで、同2%のコンビニエンスストアを上回る(2018年10月14日付日本経済新聞)。筆者はドラッグストア業界は足元では人件費の上昇、またそれに伴う出店ペースのスローダウン、中長期では人口減少というマイナス要因を受けることになる。このため、業界全体の成長鈍化は避けられないものの、境界ビジネス(コンビニ、百貨店)の継続的な取り込みや調剤部門の拡大などで、緩やかな成長を維持することは可能とみる。そうしたなかで、M&Aや合併など業界の再編統合は続くだろう。

ドラッグストア業界は旺盛な求人が続くと思われる。募集職種としては、調剤部門では薬剤師となるが、薬剤師の資格がなくても店舗運営スタッフとして採用される。入社すれば、一般用医薬品の約90%の販売に携わることのできる「登録販売者」の資格取得が義務付けられる。このため、在学時に「登録販売者」の資格を取っておけば、間違いなく就職に有利に働くだろう。大学によっては、「登録販売者」の資格を取得すれば資格取得奨励金が出るところもある。ドラッグストア業界の就職希望者はぜひ「登録販売者」資格取得にチャレンジして欲しい。

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本ブログの業界分析はまず流通・小売業界から始めたい。初回に取り上げるのは、コンビニエンスストア業界(以下、コンビニ業界)である。

我が国のコンビニ業界は1974年(昭和49年)にセブンイレブンが東京江東区の豊洲店に1号店をオープンしてから最近まで拡大を続けてきた。国内市場規模は11兆4,813億円(2017年度、前年度比2.6%増、日経MJ)である。小売業では最大の業界である。2018年の時点で、この業界はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンでマーケットシェア9割を占める寡占状態にある。店舗数ではセブンイレブンが20260店、ファミリーマートが17232店、ローソンが13992店で、大手3社合計では51484店舗になる。

この3社のなかではセブンイレブンが頭一つ抜けた存在であり、店舗数もさることながら全店平均日版(店舗1日の売上高)で65.3万円とファミリーマートの52.0万円、ローソンの53.6万円に対して10万円以上の差をつけている。セブンイレブンが全店平均日版で競合2社に差をつけている点については、いくつかの理由が挙げられる。ただ本ブログでは取り上げない。セブンイレブンの強さの秘密については、「売る力」鈴木敏文(2013)文春新書 などが参考になるだろう。セブンイレブンのみならずコンビニ業界を目指す学生諸君にはぜひ読んで欲しい一冊である。

ただ、これまで一貫して成長を続けてきたコンビニ業界もここにきてやや陰りが見えてきた。それは2017年度の既存店売上高がセブンイレブン以外はマイナスとなり、またそのセブンイレブンでさえも客数では前年比‐0.9%とマイナスに転じたことである。大手3社で5万1484店、その他のコンビニ、例えばミニストップやセイコーマートを加えれば、我が国全体のコンビニ店舗数は5万6千店といわれる。コンビニ業界の今後はどうなるのだろうか?

コンビニ業界は識者の間で何度も成長限界論が議論された経緯がある。コンビニ業界はそのたびごとに顧客の潜在ニーズを取り込んで新たな市場を作り出してきた、具体的には、公共料金の収納代行(1987年)やチケット発券(1996年)、ATM(1999年)、コンビニ銀行(2001年)、いれたてコーヒー(2013年)などである。

こうしたコンビニ業界の過去の成功を踏まえ、この先も「高齢者向けの商品を充実させるなど、消費者のニーズの変化に対応できれば成長できる余地は十分にある」(日本経済新聞夕刊、2018年11月12日、ニッキィの大疑問 コンビニ 成長続くの?)といった将来を楽観視する見方が多々みられる。

しかし筆者はコンビニ業界の成長は(国内市場については)、ここ数年以内にピークを打ち、成熟期に入ると考えている。これは、1)人口が減少するなかで大量出店を続けることが難しくなってきている(店舗がすでに飽和状態にあるとみられる)、2)成長の原動力であった24時間営業のビジネスモデルの継続が人手不足が原因で先行き不透明な状況になってきている、3)FC店舗そのものが人件費の高騰で利益面で苦しい状況に直面している、などが主な理由である。

しかしながら、眼を海外に転じればコンビニ業界の成長余地は大きいと考える。2017年度末でセブンイレブンは米国を中心に、タイ、台湾などで44340店、ファミリーマートは中国、台湾などで6849店、ローソンは中国、フィリピンなどで1596店を出店している。

とくに、ローソンは三菱商事から50.2%の出資を受けて子会社になっており、また2018年8月には伊藤忠商事がユニー・ファミリーマートホールディングス(ファミリーマートの100%親会社)のTOB(株式公開買い付け)を終了し、出資比率50.1%で子会社とした。コンビニ各社が次々と商社の傘下に入っているのは、この先の海外本格展開を見据えた動きと言えよう。10年後には「セブンイレブンとローソンがアジアで激突」という文字が新聞の見出しになる可能性は十分にあるだろう。

最後にコンビニ業界のキャリア採用の募集職種について触れておこう。コンビニ店舗は基本的にFC店舗である。このため、セブンイレブンやローソン、ファミリーマートに採用された場合、店舗に配属されてレジや商品発注を行うことはない。コンビニでの主な募集職種はスーパーバイザー(SV なおセブンイレブンではOFC オペレーション・フィールド・カウンセラー)、店舗開発、IT(情報システム)、本社(広報IR、経理、財務、人事、海外など)である。

とくにコンビニにおいては、SVは重要な職種であり、通常7~8店舗の担当となる。SVはFC店舗のオーナーに対し経営を上向かせるための情報を提供し、コンサルティングを行っている。地域の店舗情報から売れ筋商品の発注をアドバイスしたりもする。コンビニオーナーにとっては、頼りになる存在である。

ちなみにローソンのキャリア採用サイトにSVの仕事について説明してあるので紹介したい。

----的確なコンサルティングで、マチの健康ステーションを発展させよう----
地元に愛され、お客さまに通いつづけていただけるお店をつくる。これがSVの仕事のすべてです。決められたやり方やルーチンワークはありません。加盟店オーナーさんと課題を共有しながら、売り上げ・利益を伸ばす改善アイデアを提供する、とても自由度の高い職種です。まさにフランチャイズビジネスを展開するローソンの大黒柱。そのため、他部署の情報やマチのニーズといったノウハウすべてがSVに集約されます

コンビニに入社するとSVとして、若いうちからある程度責任のある仕事を任されることになろう。さらに今後は大手各社が海外展開に一段と注力するとなれば、アジアを中心とした海外人材に対するニーズも増えることが確実と思われる。国内でSVを経験し、その後は海外で活躍するのもいいだろう。

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自分の興味や関心のある業界を研究するには、情報収集が不可欠である。ただ就活生の皆さんは、業界の情報収集が必要と言われても戸惑われる方も多いと思う。そこで、以下では私の証券アナリスト、あるいはキャリア教育を実践するキャリアサポートセンター長としての経験を踏まえ、業界情報収集のやり方を紹介する。

まず業界情報といえば、就活生の皆さんになじみがあるのは大手就職支援会社が出している「業界&職種研究ガイド」(マイナビ出版)や「業界MAP」(ディスコ キャリタス就活事務局)などであろう。とくにマイナビの「業界&職種研究ガイド」は幅広く業界の基礎知識や業界構造、主な募集職種を解説しており、業界研究の入門書としてお薦めしたい。

就活生の皆さんは、最初に「私はどうしても金融業界」などと決めつけずに、このような入門書を読んで、世の中に多くの業界があることを知って欲しい。色々な業界を知るうちに、視野が拡大し、「この業界もおもしろそうだな」と考えが変わっていくかもしれないからである。

ただし業界研究は入門書だけでは物足りない。自分の一生を託すことになるかもしれない業界である。関心を持った業界はとことん深掘りして欲しい。業界の基本知識はもちろん、現況や将来の方向性などまである程度掴んでおかなければ、企業での面接等に対応するのは難しいだろう。具体的な業界深掘りのやり方として、私は以下の方法を皆さんに推奨したい。

【新聞・専門紙】
業界や主要企業の動きをチェックするには「日本経済新聞」(日経新聞)が最適と思われる。大学3年時から読み始めても間に合うが、日経新聞はビジネスマンを対象にしているだけに、読みこなすには慣れが必要である。このため、できれば大学2年から読み始めることを推奨する。
私はこれまで何回か日経新聞記者の取材を受けたことがある。その時に記者から聞いた話だが、同紙の企業報道部はビール業界担当だけで二人の記者がいるという。それほど各業界を手厚くフォローしていると言えよう。最初は理解に苦しむことがあっても1~2年程度にわたって日経新聞を読み続ければ、世界や日本経済の動きはもちろん、主要産業の動向や企業業績などが頭に入ってくるだろう。

もし、自分の就職したい業界がほぼ固まっているという場合は業界紙にチャレンジして欲しい。例えば、将来百貨店のバイヤーをやりたい、あるいはコンビニエンスストア大手に入社してスーパーバイザーになりたいというように小売・流通業界を目指している皆さんには「日経MJ」、証券・銀行など金融の世界が念頭にある場合は「日経ヴェリタス」を読んで専門知識を深めて欲しいと思う。
また業界全般では「日経産業新聞」、「日刊工業新聞」、「フジサンケイ ビジネスアイ」などがある。主要な業界紙は大学の図書館で読めることもあるので、一度チェックしてみてはいかがだろうか。

【雑誌】
代表的な経済誌では、「週刊ダイヤモンド」、「週刊東洋経済」、「エコノミスト」、「日経ビジネス」などが業界の動きを知る上でとても参考になる。これらの経済誌は大学の図書館で閲覧できる。必ずしも毎週これらを読む必要はないと思われるが、自分の気になる業界や企業の記事が特集された場合はできるだけ読んでおくようにしよう。

【書籍】
日本経済新聞の記者が執筆している「日経 業界地図」と東洋経済新報社の記者が執筆している「会社四季報 業界地図」が双璧だろう。どちらも多くの業界を網羅しているほか、今後の業界の動向にもコメントしており、就活の業界研究には参考になるだろう。また業界マップがイラストで掲載されているので、業界を構成する企業やそれぞれの位置が一目でわかる。自分の関心がある業界のみを図書館でコピーするのもよいが、一冊購入して幅広く業界研究を行うため手元に置いておくと役に立つだろう。
以下では、業界研究に関連する3冊の推奨本を挙げておく。

(1)「10年後の仕事図鑑」堀江貴文、落合陽一(2018)SB Creative
(2)「投資テーマ別成長業界&企業」大和証券投資情報部(2017)日本経済新聞出版社
(3)「業界分析ハンドブック」みずほ証券エクイティ調査部(2017)東洋経済新報社

とくに(1)の「10年後の仕事図鑑」は就活を始めようという学生の皆さんには是非とも読んで欲しい一冊である。同書を読めば、もしかすると皆さんの就職に対する考え方が変化するかもしれないことを一言付け加えておく。
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ご挨拶


皆様、日本経済大学東京渋谷キャンパス教授でキャリアサポートセンター長の西村尚純です。ご好評をいただいていた私のブログ「就職は俺に任せろ」はしばらく休載をしておりましたが、復刊いたします。読者の皆様には大変お待たせいたしましたが、今後も就活生の皆様を中心に、企業の人事担当者、人材関連企業関係者の皆様に向けてもお役に立つ情報を継続的に発信していく所存です。ご愛読のほど、何卒宜しくお願いいたします。


新たに始めるシリーズでは「業界を知る」というテーマで、業界研究を行ってみる。現代の日本にどのような業界があるかを調べていくことにしたい。業界とは同じビジネス領域で活動している企業の集まりとして捉えたものである。就活においては、企業研究と並び業界研究はとても重要な作業となる。業界の概要や動向を知ることで、個別企業についても理解が進むからである。


産業構造は日々急速に変化している。業界単位での歴史を振り返ると、これまで大きな主役の交代があった。さらに近年はITやスマートフォン、クラウドコンピューティングなどの技術の進歩がほぼすべての業界の将来に影響していると言えるだろう。


では世の中には、どのような業界が存在するのだろうか。まず業界は大きく二つに区分される、モノを作る業界(製造業)とモノを動かす業界(非製造業)である。


製造業には、自動車・輸送機器、電気機器、電子部品、機械、食料品、鉄鋼、医薬品、化粧品、化学、石油、繊維、紙パルプ、プラントエンジニアリング、住宅、土木・建設、などの業界がある。


一方、非製造業はさらに四つの区分で分類できる。(1)お金やモノを動かす業界...銀行、証券、保険、商社(2)モノを売る業界(小売業界)...百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、専門店(3)サービスを提供する業界...不動産、交通、運輸、外食、ホテル、旅行、人材サービス、教育、医療・福祉、警備(4)情報を発信する業界...新聞・テレビ、ソフトウェア・情報処理、通信・ネットワーク、などの業界がある。


これらは主要な業界以外にも、詳細に見ればさらに多くの業界がある。また今日ではIT化や経済のグローバル化が進展しており、上記の伝統的な業界分類では対応できなくなっていることも事実である。例えば、皆さんがよく知るアパレルのユニクロ(ファーストリテイリング)は小売業ではあるが、中国やバングラデシュで自社製品を製造もしているので製造小売業(SPA)という業界の垣根を超えたポジションに位置している。


家具業界で成長を続けるニトリもインドネシアやベトナムで商品を製造しているのでSPAといえることに加え、自前で物流(配送)も行っているためSPAを超えた製造小売物流業と表現しても間違いではあるまい。


さらに、近年はインバウンド(訪日外国人)やフィンテック(ファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語)業界など複数の業界が組み合わさって構成される新たな業界もある。例えばインバウンド業界は、百貨店、コンビニ、ドラッグストア、ホテル、家電量販店、免税店、旅行、レジャーなど様々な業界で構成されており、現実的には単一業界とは言えない。


本ブログでは、主要業界やその業界に属する企業の動向に触れるとともに、可能であれば新しい業界の解説もしてみたいと考えている。次回は業界研究に入る前の段階として情報収集の仕方をチェックする予定である。ご期待ください。



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