面接で出される質問には、簡潔に答えることが必要である。ダラダラと長く話していれば、面接官からは「話をまとめる能力がない」、「要領が悪そう」などと見なされて、次のステップへ進むことは難しいだろう。質問の回答時間は、1~2分くらいがベストではないかと考える。

私の4年生向けのゼミでも所属学生に「自己PR」や「学生時代に力を入れたこと」などの面接練習をさせている。その際に残念に思うのは、意外に思われるかもしれないが、大学時代が充実しており、PRの材料に事欠かない学生である。このような学生は、すべての引き出しを開こうとして、意図とは逆に「あれもやりました、これもやりました」というふうに長話となることが多い。

例えば、サークル活動にがんばって成果を出した、ボランティア活動もリーダーとして行った、ゼミでもゼミ長としてリーダーシップを発揮した、学校行事のオープンキャンパスにも積極的に参加して大学に貢献した、などいう学生である。すべてを言うのは時間的に難しい。ある程度テーマを絞った方がいいだろう。

ここで本欄の読者に簡潔に述べるいい方法をお教えしよう。文章を書くのと同じ手法であり、「業界の志望理由」や「今の学部を選んだ理由」など理由を問うような質問には効果を発揮するだろう。

その方法は、最初に結論を述べ、その後に「私はこれから述べる三点の理由でこの業界を選びました。一点目は○○です。二点目は△△です。三点目は□□です」と答えるのである。ビジネス・プレゼンテーションの基本形でもある。これであれば、話がわかりやすく、かつ説得力がある。ぜひ試して欲しい。

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採用面接で聞かれる質問は概ね決まっている。「自己紹介・自己PR」や「志望動機」を中心に、①自己分析的な質問(強み、弱み、苦手な人)、②過去の経験に関する質問(成功体験、挫折経験、一生懸命だったこと)、③大学生活に関すること(大学時代に打ち込んだこと、部・サークル活動、インターンシップ)、④将来に関すること(10年後の自分、将来の夢)、⑤就活状況・その他時事問題(他社の選考状況、最近気になったニュース)などのジャンルに大別できる。

このため、就活生のみなさんは上記の質問に対する回答をあらかじめ準備しておくのが望ましい。ところが筆者の勤務する大学で面接の練習をやると、回答を丸暗記してしまい棒読みになってしまう学生が結構いる。そのような学生には大変失礼だが、失笑を禁じえない。全体にぎこちなく、自然さがないからである。

面接とは面接官と学生とのコミュニケーションの場である。面接官は最初の質問の回答に対し、何かしらの追加質問をしてくる。そうした追加質問に答えることで、会話が成立する。このような局面では丸暗記は通用しない。

この点はなかなかニュアンスを伝えるのは難しいのだが、想定質問に対する準備は必要である。ただし、その場の雰囲気や面接官の表情などを読み、臨機応変に自然なかたちで質問に答えなければいけない。どのような質問に対しても棒読みの回答では面接を通過するのは難しいだろう。あくまでも自然な受け答えが肝要である。

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面接ではマナーや身だしなみはどの程度重要視されるのだろうか?結論から言えば、これらはとても大事で合否に直結すると考えて間違いない。ここで言うマナーや身だしなみとは、髪の毛や服装の清潔感(面接を受ける立場としての身だしなみが整っているか)、言葉使い(敬語)がちゃんとできているか、挨拶がきちんとできているか、などである。

この点は就活生の皆さんが実際に面接官の立場に立って考えて見ればよい。例えば、面接に来た学生が、髪の毛がボサボサでネクタイも緩んでおり、「いいじゃん」などの学生言葉を使えばどう思うだろうか。こんな学生とは絶対に一緒に仕事をしたくないと考えることは容易に想像がつく。就活本によっては、「マナーは評価の対象になることはあまりない」などと書いてあるものもあるが、決してそんなことはない。

私の勤務する大学では毎年、洋服の青山(青山商事グループ)の店長さんにお越しいただき、就活生向けに「スーツ着こなしセミナー」を開催している。それによれば、面接官の第一印象は合否を左右する重要なポイントであるという。さらに第一印象は実際に面接の待合室から面接室に通されて椅子にかけるまでの6秒~12秒間で決まるようである。

第一印象を要素別にみれば、「視覚情報」(身だしなみ、表情、目線、身のこなし)55%、「聴覚情報」(挨拶、声のトーン、言葉使い)38%、その他7%となっている。すなわち、面接官の第一印象さえよければ、その後に続く面接での多少の失敗も見逃してくれる可能性もあるということである。それほど第一印象は大切であり、この点にも就活生の皆さんは注意を払う必要がある。

実際に私も仕事柄、企業の採用担当者の方々に(当方として自信を持って送りだした学生が)なぜ面接で落ちたのか伺うこともよくある。採用担当者の方々がしばしば指摘されるのは、「話を聞く態度ができていない」学生は採用しないということである。

直近の話では、ある会社の説明会で担当者が話をしている最中にあごに手をつけて眠そうな態度をとったという。それが会場内の採用・人事担当者の目に止まり、当該学生に対してダメ出しがあったという。採用担当者からは、「一次面接は一応実施するものの、まず落ちるでしょう」とのことであった。説明会での第一印象が悪かったのである。

この事例が示すように、採用担当者は会社説明会の席でも学生のマナーをチェックしている。まして面接では、さらに細かくチェックされるのは間違いない。マナーや身だしなみは大学のキャリアセンターなどで面接の練習を何度も繰り返せば、言葉使いも含め必ず身につけることができる。マナーや身だしなみは志望する会社に対する必要最低限の礼儀でもある。基本中の基本であるが、手を抜かないようにしたい。

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いよいよ最終面接である。企業によって人事部長や人事担当、営業担当、管理担当の役員が対応する。役員1名のみで対応する企業もあれば、複数の役員、多ければ5人以上が出てくることもある。また中堅企業やベンチャー企業になると社長が直々に面接するケースも多い。

最終面接はかねて最終の意思確認を行う場とされてきた。ところが最近は学生から「最終面接で落とされた」という話をしばしば聞くようになった。これは最終面接が単なる形式的なものではなく、選考の場になっていることを意味している。最後まで気を抜いてはいけない。

役員の方々は概ね30年以上にわたって厳しい社内の競争を勝ち抜いて現在の地位まで上り詰めた方々である。これまでの面接官とは格が全然違う。もちろんベンチャー企業では若い役員も多いが、大手企業では50代以上の年配の役員がほとんどであろう。そのような役員がずらっと並んだ部屋に入ると独特の威圧感を感じるかもしれない。ある程度緊張するのは致し方ないが、できるだけ平常心で臨みたい。

最終面接では主に、(1)学生の人物(会社で働くのに適した人材か否か)、(2)会社の理解度(ビジネス、戦略など)、の2点がチェックされる。

まず(1)の人物については、具体的にマナー(お辞儀や挨拶、正しい敬語)や見識(一般常識、時事問題)が問われるだろう。マナーが重視される点については、意外に思われる向きもあろう。しかし役員はマナーができていない学生は絶対に採用しない。マナーのあるなしは社会人としての基礎力が備わっているかを表すからである。最終面接で話がはずんだとしても、調子に乗って絶対に学生言葉を口にしてはいけない。また時事問題を聞かれるケースもあるので、最低でも直前1週間の新聞(日本経済新聞が望ましい)を読み込んでおこう。

(2)の会社の理解度については、本ブログの会社研究シリーズでその重要性を繰り返し述べてきた。とりわけ、創業者もしくは経営者の書いた本を読んで、会社の成り立ちから今日までの沿革を理解しておくこと、中期経営計画で今後の戦略を頭に入れておくこと、(小売・流通業界であれば)店舗見学で店の雰囲気を確認しておくこと、は絶対におさえておいて欲しい。

最後に最終面接で重要なポイントを伝えよう。それは"元気"である。役員は何よりも"元気"のある学生を好む。体調を万全にして、面接当日は体から漲る"元気"な姿で役員をうならせて欲しい。

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株式会社アドックインターナショナル(本社:東京都立川市)の人財開発部長として学生の採用を担当してこられた檀卓也氏から本ブログ読者の皆さんへのアドバイスも3回目となり、いよいよ最終回である。今回は企業人事の仕事を紹介されている。人事サイドの本音トークはなかなか聞くチャンスがないと思う。読者の皆さんには、大いに参考にしていただければ幸いである。


今回はガラッと視点を変えて、私(というより、一般的な人事担当者)の仕事という視点から、お話しをさせていただこうと思います。「なんだ、就職と関係ないじゃないか」と思われるかも知れません。ですが、別に人事部への配属を希望する方々のみにお話しをするわけではありません。なぜなら、みなさん方就活生に対する企業側の窓口となって、選考から(少なくとも)入社までをサポートするのが私たち人事担当者の仕事だからです。

○人事の役割
まず人事の役割を、なるべく端的な言葉で説明すると、「経営トップの意思を受け、企業活動が求める人材を採用、育成し、人材が意欲的に仕事に取り組める環境を整備すること」となります。

まず、経営トップの意思とは、企業のホームページなどでよく見かける「経営理念」や「企業理念」と言われるモノの中に含まれています。経営理念や企業理念とは、一般的には企業の社会的責任など、その企業の存在意義について創業者や現在のトップが語った言葉です。ですが、これは読み替えると、自社の社員に対する「人材ビジョン」とも受け取れます。自分の経営する会社に縁あって入社してくれた社員たちには、こんなマインドを持って仕事に取り組んで欲しいという、トップからのメッセージでもあるんです。

○例を挙げるなら
先生が以前、会社研究のお話しの際に例に挙げられていたヤクルト本社さんのホームページを拝見すると、創業者である代田稔(しろたみのる)さんの言葉として、「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」とあります。あくまで企業活動の目的は、「世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献」することなんですね。「ヤクルトをたくさん売れ」ではないという点がポイントです。

ヤクルトという自社製品を通して、みんなが健康で楽しい生活を送るお手伝いをして欲しいと言ってるんですね。また、「生命科学の追究」とありますが、これは研究職にある社員だけに言っているのではないでしょう。営業職だからといって、なんでもいいからお手伝いしろ、ではなくて、科学の視点からサポートしろという意味でしょう。「美味しいよ」だけでなく、「身体にいいよ」ということをきちんとアピールして売りなさい、ということですね。

ちょっと深読みしすぎかもしれませんが、プロ野球球団である「東京ヤクルトスワローズ」を同社が長年運営し続けるのは、「健康で楽しい生活づくり」と、スポーツやスポーツ観戦の「健康」や「楽しさ」とがマッチしているからかもしれません。あとは、予防医学の知見を活かして、選手の怪我も「予防」できれば、もっと上を狙えるチームになるかもしれない、というのはちょっとお節介ですね。

話しが逸れてしまいましたが、こういったトップの意思に環境変化など外部要因による制限を加味して人事戦略や求める人材像が決まっていきます。だから、求める人材像というのは本来、企業によって全く違うものなんです。どうせ企業研究をするなら、この辺りはぜひ押さえておいてもらいたいですね。あくまで大切なのは、それにどうやって自分を合わせるかではなく、すんなり共感できるかどうか、ですよ。

○ここがおかしい
企業側では、自社を志望してくれる学生さんたちのことを、「母集団」と呼んでいます。この呼称がいいか悪いかは別として、たくさんの母集団を集めて、選考で厳選すればいい人材が採用できると考えられています。だから、本来の人材要件以外にも、「コミュニケーション能力のある人」とか「自分で考え、自主的に行動できる人」とか「協調性があり、チームワークを重んじる人」とか、ありがちないろんな要件を付け足してしまいます。非常に非効率で頭の悪いやり方だと私は思います。絶対に採用されないような人までいちおう集めてしまおうと言うんですから。企業側も無駄に多くの選考をしなければならないし、学生さんも無駄に何十社と落とされて疲れてしまう。このやり方は、誰にとってもいいことなんか一つもありません。

よく練られた人材要件は、非常にシンプルです。自社が求める人材だけにピンポイントに響くよう考えられているものなのです。

そうして決定した人材要件が、「求人票」や「募集要項」になり、みなさんの目に触れることになります。

○採用して終わり、ではない
ここからは選考に関するお話しですから、西村先生の教えを実践する場面ですね。そして内定、研修を経て入社となるわけですが、人事の仕事はこれで終わりません。むしろこれからが本番なのです。社内の様々な部門からの要望と、入社されるみなさんの希望、資質、特性など併せ見て「配属」を決めます。研究職だから研究開発部門、営業職だから営業部門、企画職だから企画部門と、そう単純にはいかないので、意外と大変です。これによってみなさんのキャリア、ひいては人生を左右することになりますから、真剣に検討し一人ひとり決定していきます。

次は、入社してくれたみなさんに気持ちよく働いてもらうために、様々な状況、条件に合わせて、「働きやすい環境」も整備しないといけません。法制度はもちろんのこと、最近ではワークライフバランス、ダイバーシティ等々、いろんなことを考慮しないといけません。これを怠ると、「ブラック企業」なんて言われかねないですから、社内の制度と言いつつも、社内のことだけを考えていたのではダメなんです。

そして「教育」です。新卒採用は、企業にとっては「投資」です。即戦力として期待している企業はほとんどないでしょう。だから当然、仕事を行う上で必要な知識、技能を身に付けていただかないといけません。期間は企業によって様々ですが、研修が全くない企業は恐らくないのではないでしょうか。働きやすい環境も、教育も、全てみなさんに長く働いてもらいたいからなんです。企業の立場からドライに言わせていただくと、せっかく採用した新卒者に簡単に辞められてしまっては、採用や教育にかけた費用を回収できません。逆にみなさんの立場に立って言うと、せっかく新卒で入った企業を簡単に辞めてしまっては、「経歴」に傷がつきます。例えば仮に転職するとき、履歴書には職歴を書かなくてはいけませんが、新卒で入社した企業を1年くらいで辞めていた場合、中途採用の担当者は「すぐに諦めてしまうんだな」とか「ウチもすぐに辞められてしまうんだろうな」と、ネガティブな印象を持ってしまいます。損ですよね。

最後は「評価」です。ある意味これが一番難しいです。なぜかと言うと、評価の結果が社員一人ひとりのお給料(給与)やボーナス(賞与)の額に直接影響を及ぼすからです。社内には様々な仕事があり、そのやり方や成果もまちまちです。それらを評価という一つのテーブルに乗せて、公平かつ公正に優劣を決めないといけないのです。間違えると社内に不公平感を生み、一部の社員のモチベーションを下げてしまったり、会社に対する信頼を失わせてしまうことだってあります。逆に上手くいけば、「また頑張ろう」とやる気を持って意欲的に仕事に取り組んでもらえます。

○まとめ
まとめますと、企業人事とは、

・経営トップ(主に社長)の意思を受け
・経営目標を達成すべく
・これからの現場が求める人材像を固め
・外部(大学等)に赴き採用し
・適材適所に配属し
・働きやすい環境を整え
・必要な教育を実施し
・その仕事の成果を公正に評価する

ことを仕事としている人間です。

このように、環境という全社的な視点や、採用、教育、評価という個人に対する働きかけという様々な形で、企業の業績向上や従業員のキャリア形成に深く関わるのが人事という部門のお仕事です。この人はトップの意思に共感してくれるだろうか、組織のチームワークの潤滑油となってくれるだろうか、準備している研修で能力を開花させてくれるだろうか、将来会社にとってなくてはならない人材に育ってくれるだろうか、何よりこの会社に入社してよかったと生き生きとして働いてくれるだろうかと、そんなことを考えながら採用担当者としてみなさん方と向き合っているのです。

初めの回で、私はみなさん方に「その会社を好きになってください」と申し上げました。私たちも自社を志望してくれた学生さんのことを「好きになる」ことから始めます。どういう部分を見て好きになるかは、ここまで書いてきたとおりです。好きになると「推せる」んです。私たちは選考というプロセスを通して、上層部に「推せるネタ」を探しているんです。ここまで読んでいただいた方なら、その推せるネタが、「TOEICで高得点」ではなくて、「留学経験」でもなくて、「保持資格」なんかでもないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。


最後にもう一度。みなさん、いい就職をしてください。
長々とお付き合い下さって、ありがとうございました。

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前回書かせていただいたコメントには、「やりたいこと、行きたい会社、それらが明確になっている学生さんたちなら、」という前提を付けさせていただきました。こういう学生さんたちなら、先生のアドバイスを活用してバンバン内定を取っていくでしょうが、問題はそうじゃない方々ですよね。正直そうじゃない方々が実践しても、結果は運次第だと思います。今回はそういう方むけに書かせていただこうと思いました。

「御社から内定をいただけたら、しっかり勉強して一日も早く戦力になります。」面接の場で、実は毎年こう言う人が、びっくりするほど多くいます。

「何が悪いんだ?」と思う人は危険信号です。

ビジネスの世界は、「能動的な貢献の競争」の世界です。貢献とは「もらう」ではなく、「与える」です。人々にありがたいと思ってもらえるものを提供することで、対価(お金)がいただけるんです。これはどんな業界でも同じです。世の中にはいろんな製品やサービスが存在しますがそれらは全てこのためにあると言っても過言ではないです。お客さまが欲しいと思う商品を作って提供するから、お金を出して買ってもらえるんです。お客さまが利用したいと思うサービスを提供するから、お金を出して使ってもらえるんです。アーティストやアスリートでさえ、人々に感動を与えるような作品やプレーを見せるから、応援してもらえたりスポンサーが付いたりするんです。

少し前からCSやCSRなどといったものが、あたかも海外から取り入れた新しいスタイルのように小難しい理屈とともに導入されましたが、古くから日本には、近江商人たちの「三方よし」のような基本精神がありました。自分たちの儲けより相手の満足や社会貢献を重視してきたはずです。相手を喜ばせたり、助けたりして感謝されるからこそ商売が成り立つ、大昔から実は当たり前の話だったのです。

例えば、入試の当日になって、「まだ勉強してませんけど、入学させてくれたら一生懸命勉強するので入れてください。」と言っても絶対ダメですよね。「今からしっかり勉強して、また来年きて下さい。」と言われるのがオチです。それと同じです。「○○をくれたら××します」ではなく、「××したので○○を下さい」と言えなければだめなんです。普段は当たり前のことと理解しているのに、いざ就活という場面になると多くの人がそうなってしまいます。不思議ですけど事実なので、みなさん注意してくださいね。

では、先に何をすればいいのか。それは、企業によって違います。たとえ同じ業界、同じ職種であったとしても、会社が違えばビジネスモデルは全く違います。求める人材像というのもかなり違ってきます。新卒として入社して欲しい人に、どんな知識や経験や個性を求めるのか。まずはそれを知らないことには何も始まりません。

だから、業界研究や企業研究は必要なんです。

そして、その知識や経験が自分には足りないなと思ったら、次にやることはそれらを吸収するための行動を起こすことです。広い意味でのそれは勉強と言えますが、みなさんが普段机の上でやっているそれとは少し違います。体験をしてもらいたいのです。それが、「行動範囲を広げる」の中身であり、理由です。どうしようもないのは個性です。個性はその人らしさとも言える部分ですから、変えることができませんし、また変える必要もないと思います。そこは「相性」ですから、気にしなくていいんです。

やってみて、失敗して、向かないなと思ったら、違う道に変えればいいんです。失敗したけど、もう一度やったら上手くいきそうだなと思ったら、またチャレンジすればいい。それを続けていれば、いつかこれだと思えるものが必ず見つかります。まだみなさんは意識したことがないかも知れませんが、社会人と呼ばれる期間は長いです。気が遠くなるほど長いです。だって40年以上もあるんですから。変に自分を偽って、合わない会社に無理やり入ったとして、40年以上も自分を偽り続けられますか。それこそ、心も身体も壊れてしまいます。心から「やりたい」、「やり続けたい」と思えるものを見つけることは、ものすごく重要なことなんです。

「自分はこうしたい」と思えるものを持つことは必要だし、とても重要ですが、肝心なのはその動機です。かっこいいから、好きだから、興味があるから、でしょうか。それとも、その営みを通じて、お客さまと呼ばれる人たちが喜ぶ顔が思い浮かぶから、でしょうか。よく「好きなことを仕事にしろ」という人と、「好きなことは仕事にするな」という人の両方が存在して、どっちがホントなんだよ、と思いませんか。実はこれ、どちらも本当なんです。前者の動機を持つ人は「仕事にするな」で、後者が「仕事にしろ」なんです。これも「貢献」がポイントなんです。でもこれも、外から見ているだけでなく、実際に体験すれば、自分がどちらなのかはっきりします。

不思議なことですが、体験を通して出る言葉は重いです。理由は分かりませんが、説得力が違います。

今思えば、大学の講義も「体験」や「貢献」という視点で受けられていたら、全く違っただろうなと思います。ここで学べる知識が世の中のどんな人たちにどう役立つのか、そこを考えられていたら、もっともっと多くのものを吸収できたと思います。みなさんはまだ間に合います。そういう「目的を持った講義の受け方」をしてください。身に付くものが全く違うし、型どおりの就活対策なんかしなくても、面接で「語りたくなる」ことが山ほどできます。

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ここまで「面接に強くなる」シリーズを(1)~(6)まで展開してきた。今後も同シリーズは続けていく方針だが、今回から特別編として数回にわたって株式会社アドックインターナショナル(本社:東京都立川市)の人財開発部長として学生の採用を担当してこられた檀卓也氏から本ブログ読者の皆さんへのアドバイスをしていただくことになった。大変ありがたいことで、読者の皆さんにはぜひ参考にしていただきたいと思う。


学生さんたちのなかにも、やりたいこと、行きたい会社、それらが明確になっている方もいれば、そもそもまだやりたいこと自体が見つかっていない、という方が多いのも事実と思います。
アドバイスなどと、上から偉そうなことを言うつもりはないですが、やりたいことを見つけるには、

・行動範囲を広げる
・社会人と話す

この2つをお奨めします。やりたいことが見つからないのは、世の中にどんな職業が存在するのか、どんな会社が存在するのか、まだまだそういった情報が圧倒的に不足しているからだと思います。知れば興味のわくものが一つや二つは見つかるものです。その上で、行きたい会社が見つかれば、あとは実践あるのみですね。

せっかくですから、人事担当者としていくつかお話ししたいと思います。
大学名というブランドで採用を決めている企業なら、書類選考の時点で落とされているはずです。面接の場に臨めたということは、その企業は学校の名前ではなく個人のポテンシャルを見ているという何よりの証拠なので、全く気後れする必要なんかないです。

それに私たち企業も、学生さんたちから「選んでもらう」立場です。ましてや今は学生さんに有利な「売り手」市場だと言われているのですから、冗談でも何でもなく、私たち企業は「採用難」に苦しんでいます。力関係はイーブンだと思っていただいて間違いないです。

ですから、選考は「試験」ではありません。選考を通ったということは、その企業と「相性が良かった」というだけです。不通過だったからといって落ち込む必要はありません。だって、単に相性が良くなかったというだけですから。

それらを踏まえた上で、選考に臨む前の学生さんたちにまずお願いしたいのは、その企業を「好きになる」ことです。好きになることで、もっとよく知りたいという欲も出てきますし、入社したいという思いも強くなります。

長くなってしまってすみません。最後まで読んでいただいてありがとうございます。あと、人事の役割も詳しく知ると、いい作戦が立てられると思いますよ。
みなさん、いい就職をしてください。(続く)

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近年は多くの企業の新卒採用プロセスでグループディスカッションが取り入れられており、ほとんどは一次選考として行われる。グループディスカッションは与えられたテーマについて、5~6人の学生グループが意見を交わして30~1時間後にグループとしての結論を出す。人事担当者は各グループでの議論の進捗状況を見ながら、「それぞれのメンバーが役割を果たしているか」、「うまくまとまって結論に持っていけるか」、「リーダーシップはあるか」、「グループに貢献しているか」などをチェックする。

グループディスカッションの重要性が増しているのは、学生の会社で働くに当たっての能力や適性(リーダーシップ、協調性など)を見極めることができるからである。したがって、グループディスカッションで一言も発言しないというのは絶対にダメだ。なお、グループディスカッションでは、各自に役割が割り振られるケースがほとんどなので、以下ではそれについて解説しよう。

① 発表者:グループの結論をわかりやすく面接官の前で発表する。ただ発表するだけでなく、グループ内で意見を述べるのはもちろん、討論の流れをすべて把握しておく必要がある。
② 司会:グループ全員にしっかり発言する機会を与え、議論をヒートアップさせずスムーズに進める。
③ 書記:発言を紙やホワイトボードに簡潔にメモしていく。議論の内容を一番よく把握しているのは書記なので議論が本筋からずれた時は軌道修正していく。
④ タイムキーパー:議論の大枠の時間配分(自己紹介5分、ブレインストーミング10分、討論15分、まとめ10分)を決めるほか、残り時間をメンバーに伝える。ただ時間を伝えるだけでなく、「あと何分なので、意見を出していきましょう。私が思うには~」といった感じで存在感を示す。
⑤ パネラー:積極的に意見を出していく。自分の意見を述べつつ、その意見に固執しすぎないように気をつける。いかに議論での存在感を出させるかがポイント。

それぞれの役割に有利不利はない。最初の役割分けの時に、自分が最も合うと考える役割に手を上げたらよい。実際に大手人材会社に内定を決めた筆者のゼミのS君は、「どのグループディスカッションでも必ずタイムキーパーを取りにいきました」という。S君は自分の適性を見極めて、タイムキーパーがしっくりくると判断したものと思われる。

次にグループディスカッションでの注意点を説明する。グループディスカッションでは、メンバーが会社の同僚として一緒に働くことができる人物か否かが重点的にチェックされる。このため、グループとしてのまとまりが大事である。例えば議論がこじれて結論が出なかったというグループはまず全員が落とされるだろう。グループ面接とは異なり、グループディスカッションはグループの学生同士が仲間意識を持つ必要がある。実際、うまく議論をまとめたチームは全員が次のステップに進むことが多い。

グループディスカッションは思いのほか難しい。グループのメンバーに左右される部分が大きいからである。もしメンバーのなかに強調性のない人物がいて自分の意見を強硬に主張し議論が停滞した場合、下手をすればグループ全員が落ちるかもしれないという危機的な状況となる。

こうした場合は、強く「チームで結論を出すので協力してください」とたしなめた方が評価を得られる可能性が高い。とにかく一人のせいで場が混乱したら、先頭に立って議論を元に戻す努力をすることが肝要といえよう。

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まず採用プロセスにおける面接等の種類をおさらいしておこう。面接には個人面接の他にグループ(集団)面接がある。これ以外では、グループディスカッションやグループワークがある。とくに大手企業になると志願者が多いため、効率的に人材を選抜する目的で(=志願者をふるい落とす)、ほとんどの会社が一次面接でグループ面接もしくはグループディスカッションを取り入れている。

今回はグループ面接について考えよう。グループ面接は概ね学生3~5名に対し面接官が1~2名、という形式で行われる。時間は30分~1時間が目安で、面接官がテーマを与え、学生が順番に回答していく。一人あたりの時間に直せば、わずか5~10分程度しか持ち時間がないという、きわめて短時間で合否が決まる面接である。このような特殊な面接を如何に乗り切るか?以下では、そのポイントを解説しよう。

ポイント1:他の学生の大学名に気後れしない
グループ面接では最初に自己紹介をさせられる場合が大半だろう。そこに自分より名の通った一流大学の学生もいるかもしれない。しかし、それで緊張したり、臆したりしてはいけない。しっかりとした自己分析、会社研究をやったのであれば、どんな質問にも答えられるはずである。グループの他の学生がどこの大学であろうと構わない。自分を見失わずに自信を持って答えるだけである。

ポイント2:他の学生の発言に惑わされない
他の学生の発言はよく聞こえるものだ。「ああ、こんな相手には到底かなわないな」などと思ったら、その時点でチャンスはない。上述したように、十分な準備をしておけば、決して他の学生に負けることはない。学生からはよく「先に答えた学生に言おうとしていたことを言われてしまった。この場合、どうすればよいか」と質問を受ける。この場合もそんなに難しく考えることはない。ただし、「○○さんと同じ意見です。ただ私なりの視点を一点追加したいと思います」というように、自分オリジナルの考えを1~2補足すれば問題はないだろう。

ポイント3:回答は簡潔に行う
自分をアピールしようと長々と答える学生がいる。そうした学生は間違いなく落とされる。面接官に「自分の考えを要領よくまとめる力がない」、「バランス感覚・協調性がない」と見られるからである。回答はせいぜい1~2分でよい。簡潔に答えることを心がけよう。
ポイント4:できるだけ大きな声で明快に答える
面接官サイドからみれば、やはり大きな声でハキハキと答える学生は意欲的と評価されやすい。逆に声が小さく、「よく聞こえません。もう一度言ってきださい」と聞かれるようでは、面接通過は難しいだろう。地声が小さくても、緊張していても、グループ面接では開き直ってできるだけ大きな声で答えよう。

ポイント5:他の学生の話も聞いておく
グループ面接では、自分の考えをまとめるのに精一杯で、他の学生の話を聞く余裕はほとんどないかと思う。ある意味で仕方ない部分もあるが、たまに他の学生の発言について、「あとの方は今の意見についてどう思いますか」という質問がくる場合がある。少なくとも、自分の発言が終わっても安心しないで、他の学生の意見に耳を傾けるようにしよう。

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採用面接では、しばしば圧迫面接が行われることがある。面接官が学生の答えを意識的に否定したり、あえて意地悪な質問をする面接手法である。例えば、
学生:私は自分の好奇心旺盛な性格から御社の社風に合うと考えます。
面接官:そうですか?どうみてもあなたの印象からは当社の雰囲気に合うとは思いません。

あるいは、
学生:私は御社の営業でがんばりたいと思っています。
面接官:営業はとてもつらいですよ。あなたに当社の営業に耐える根性があるとは思えないですね。

といった具合である。圧迫面接を体験した学生によれば、周囲には精神的に動揺し泣き出す学生もいたという。このような圧迫面接にどう対処すればいいのだろうか?まず肝に銘じておきたいのは、面接で最初から自分の返答が全面的に否定された場合、「あっ、これは圧迫面接だな」と意識することである。

それができれば、面接官から自分を全否定されるような発言があっても、落ち着きを持って対処することができるだろう。「柳に風」といった具合に受け流せばよい。圧迫面接は学生のストレス耐性をチェックする手法なので、面接官も(本音ではやりたくないが)仕事としてやっている。所詮サラリーマンなのである。その点を理解していれば、むしろ学生サイドに余裕が生まれる可能すらあるだろう。

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